人工血管挿入で認定される障害年金の等級は?【すどう社労士事務所】

大動脈解離や大動脈瘤の手術で胸部・胸腹部大動脈に人工血管(ステントグラフト)を挿入された方へ。

人工血管置換術で認定される障害年金の等級(原則3級)の基準や、初診日の要件、必要書類、注意点等を障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』がわかりやすく解説します。

人工血管(ステントグラフト)を挿入され体調が回復して職場に復帰なされてる方も対象になります。
是非最後までご覧ください。

 

【結論】

胸部や胸腹部大動脈の疾患により人工血管(ステントグラフトを含む)を挿入された場合、原則として「障害厚生年金3級」に認定される可能性があります。

「手術をしたけれど仕事は続けているから対象外ではないか」と思われる方も多いですが、一定の要件を満たしていれば受給の対象となります。

適切な書類準備と制度の理解が、確実な受給への重要なステップとなります。

 

この記事が向いている方

  • 大動脈解離や大動脈瘤の手術で人工血管(ステントグラフト)を挿入された方
  • 人工血管を装着した場合、障害年金の等級がどうなるのか知りたい方
  • 働きながらでも人工血管置換術で障害年金を受け取れるのか気になっている方
  • 障害年金の申請に必要な要件や、初診日の証明方法に不安がある方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で障害年金専門の社労士を探している方

この記事の目次

  1. 人工血管挿入術とは?障害年金の対象になる?
  2. 人工血管挿入で認定される障害年金の等級(原則3級)
  3. 【2026年度】人工血管挿入で受け取れる障害年金の金額目安
  4. 人工血管で障害年金を受給するための「3つの基本要件」
  5. 働きながらでも人工血管挿入で障害年金は受け取れる?
  6. 人工血管の障害年金申請で失敗しないための注意点
  7. 人工血管の障害年金申請を進める5つの手順
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 人工血管挿入術とは?障害年金の対象になる?

大動脈瘤や急性大動脈解離などの重大な血管疾患を発症した際、破裂のリスクを防ぐために自身の血管の代わりに人工の管(人工血管)を縫着・置換する手術や、カテーテルを用いてステントグラフトを留置する手術が行われます。

こうした手術を経験された方から、「外見からは分からないけれど、障害年金の対象になるのだろうか」というご相談をよくいただきます。

結論から申し上げますと、大動脈疾患に対する人工血管の挿入は、障害年金の明確な支給対象として位置づけられています。

身体の内部に大きな人工物を抱え、術後も血圧管理や体調管理が欠かせない状態であるため、法に基づく適正な受給権が認められています。

2. 人工血管挿入で認定される障害年金の等級(原則3級)

障害年金における心疾患・大動脈疾患の認定基準では、人工血管を挿入したケースについて具体的な等級が定められています。

対象部位・手術内容 認定される障害等級の目安 条件・留意点
胸部または胸腹部大動脈への人工血管挿入・置換 原則 3級 一般状態区分表が「イ」または「ウ」に該当すること。ステントグラフト内挿術も含みます。
腹部大動脈のみに対する人工血管置換術 原則 対象外(個別判定) 一発認定の基準には該当しませんが、術後合併症や他疾患の併発等により日常生活に支障がある場合は認められる可能性があります。

胸部や胸腹部の大動脈に人工血管(ステントグラフトを含む)を置換した場合、原則として障害厚生年金3級に該当すると定められています。

ここで重要となるのが、診断書に記載される「一般状態区分表」の評価です。軽度の制限がある「イ」や、歩行や身の回りのことはできるが日常生活に著しい制限がある「ウ」などに該当することが、3級認定の大きなポイントとなります。

3. 【2026年度】人工血管挿入で受け取れる障害年金の金額目安

人工血管の挿入により認定される「障害厚生年金3級」には、法律によって最低保障額が設定されています。

  • 障害厚生年金3級の最低保障額: 年額 635,500円(※2026年度制度に基づく)

障害厚生年金は、定額の給付ではなく、現役時代に納めた厚生年金保険料の額や加入期間に応じた「報酬比例の年金」が上乗せされる仕組みになっています。

そのため、人によっては上記の最低保障額よりも多い金額を受け取れるケースがあります。

また、障害年金は原則として非課税所得となるため、税金が源泉徴収されることなく、受給額の全額を生活費や医療費、今後の備えに充てることができます。

4. 人工血管で障害年金を受給するための「3つの基本要件」

人工血管を挿入した方であっても、障害年金を受け取るためには、すべての傷病に共通する以下の3つの基本要件をクリアしている必要があります。

要件①:初診日要件

大動脈瘤や大動脈解離などで初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、どの年金制度に加入していたかが問われます。
人工血管で3級を目指す場合は、この初診日に「厚生年金」に加入していることが絶対条件となります。

要件②:保険料納付要件

初診日の前日において、これまでの年金加入期間のうち一定割合以上の保険料が納付(または免除)されている必要があります。
未納期間が多いと受給資格が得られないため事前の確認が不可欠です。

要件③:障害認定日要件

原則として初診日から1年6ヶ月経過した日、あるいはそれ以前であっても人工血管を挿入・置換した手術日が障害認定日となり、その時点の状態で等級が判定されます。

5. 働きながらでも人工血管挿入で障害年金は受け取れる?

「手術をして人工血管が入ったけれど、体調を見ながら職場に復帰して働いている。そんな状態でも障害年金をもらえるのだろうか」という疑問を多く寄せられます。

結論から申し上げますと、働きながらであっても障害厚生年金3級を受給することは十分に可能です。

障害基礎年金(1・2級)とは異なり、障害厚生年金3級には「就労していることによる一律の支給停止規定」がありません。

そのため、給与を得ているという事実だけで不支給になることはありません。

ただし、職場での業務制限や、体調への配慮、血圧管理上の制約などが、病歴・就労状況等申立書や診断書に正しく反映されていることが大切です。

6. 人工血管の障害年金申請で失敗しないための注意点

人工血管を挿入している場合、形式上は「原則3級」に該当しやすい一方、実務上は以下のような落とし穴に注意しなければなりません。

診断書の「一般状態区分」の落とし穴

主治医が経過を「良好」と判断し、一般状態区分を「ア(軽度の症状はあるが肉体労働制限程度)」と記載してしまうと、3級の基準を満たさず不支給になってしまうリスクがあります。

初診日の証明におけるトラブル

高血圧などで長年通院していた病院から、大動脈解離の発症で転院を繰り返している場合、「どの病院が本当の初診日か」の特定や証明書(受診状況等証明書)の取得でつまずくケースが少なくありません。

国民年金(自営業・主婦等)の場合の壁

初診日当時に国民年金に加入していた場合、障害基礎年金(1・2級のみ)の対象となるため、人工血管単体(3級相当)では受給対象外となってしまいます。

他の障害との併合などを慎重に見極める必要があります。

7. 人工血管の障害年金申請を進める5つの手順

複雑な手続きをスムーズに進めるため、一般的な申請のステップを確認しておきましょう。

1

初診日の特定と確認

大動脈疾患のきっかけとなった症状で初めて受診した医療機関を特定します。

2

受診状況等証明書の取得

初診時の病院で、初診日を証明する書類を作成してもらいます(転院がある場合)。

3

診断書の作成依頼(主治医へ)

現在の主治医に障害年金用の診断書(心疾患用)の作成を依頼します。

4

病歴・就労状況等申立書の作成

発症から現在までの治療経過や、日常生活・仕事での制限を具体的にまとめます。

5

年金事務所への提出・審査

書類一式を管轄の年金事務所へ提出し、約3〜4ヶ月の審査結果を待ちます。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、うつ病や精神疾患だけでなく、脳血管障害や心疾患、大動脈解離による人工血管挿入など、身体疾患・内部障害に起因する障害年金申請のサポートにも力を入れております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着の安心体制: 越谷市・春日部市・草加市・さいたま市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート実績がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超の専門ノウハウ: 初診日証明の取り扱いや、診断書の記載内容に関するポイントを熟知しています。
  • 女性相談員による親身なヒアリング: お体の負担やご不安に寄り添い、丁寧にお話を伺います。
    ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大歓迎です。
  • 透明性の高いサポート料金: 費用に関するご不安を解消するため、分かりやすい料金体系を整えています。
    詳しくはサポート料金をご覧ください。

事務所の詳しい特徴については選ばれる理由を、ご覧ください。

これまでの実績については受給事例をそれぞれご覧ください。

事務所の詳しい情報やアクセスは事務所概要をご確認ください。

9. よくある質問

Q1. 腹部大動脈瘤で人工血管を入れましたが、3級の対象になりますか?
A. 腹部大動脈のみに対する人工血管置換術は、胸部や胸腹部とは異なり「原則3級」の一発認定基準の対象外となります。ただし、術後の合併症や他の疾患の併発により日常生活に著しい制限がある場合は、個別の審査で認められる可能性があります。
Q2. 初診日に国民年金(自営業や主婦など)に加入していた場合、全くもらえないのですか?
A. 障害基礎年金には3級という等級が存在しないため、人工血管単体の状態(原則3級相当)では受給の対象外となります。ただし、その後に症状が悪化して1級・2級相当の状態になられた場合は、障害基礎年金を受給できる可能性があります。
Q3. ステントグラフト内挿術(カテーテル治療)も人工血管の対象になりますか?
A. はい、含まれます。大動脈瘤や大動脈解離に対して行われるカテーテル治療(ステントグラフト内挿術)も、障害認定基準においては人工血管を挿入したものとして扱われます。胸部または胸腹部であれば原則3級の対象となります。
Q4. 働きながら人工血管で障害年金を受給しても、給付額は減りませんか?
A. 障害厚生年金3級には、就労による一律の支給停止や減額の規定がありません。給与を得て働いている場合でも、決定した年金額をそのまま受け取ることができます。
Q5. 会社や家族に知られずに障害年金を申請することはできますか?
A. 日本年金機構から勤務先へ障害年金申請の通知がいくことは原則ありません。プライバシーは厳守されますのでご安心ください。
Q6. 自分で申請するのと、社労士に頼むのでは何が違いますか?
A. 障害年金専門の社労士に依頼することで、初診日の証明におけるリスクや、診断書の一般状態区分の記載に関する懸念をクリアし、適切な等級での認定を目指すことができます。また、手続きにかかる肉体的・精神的なご負担を大幅に軽減できます。
Q7. 過去に手術を受けてから時間が経っていますが、今から遡って請求(遡及請求)できますか?
A. 障害認定日(手術日など)の時点で受給要件を満たしており、当時の診断書が取得できる等の条件が揃っていれば、時効(最長5年分)の範囲内で過去に遡って年金を一括受給できる可能性があります。

10. まとめ

胸部・胸腹部大動脈への人工血管挿入術は、障害年金の「原則3級(障害厚生年金)」の対象となる重要な認定基準です。

  • 胸部・胸腹部大動脈の人工血管置換やステントグラフト留置は原則3級の対象
  • 初診日時点での厚生年金加入と、診断書の一般状態区分(イ・ウ)が受給の鍵
  • 働きながらであっても障害厚生年金3級であれば受給が可能
  • 初診日の証明や書類作成に不安がある場合は、専門家への相談がおすすめ

ご相談について

人工血管の手術を経験され、今後の生活や仕事への不安を抱えながら複雑な年金手続きをご自身だけで進めるのは、心身に大きな負担がかかります。「自分のケースでも対象になるか知りたい」「初診日の証明に自信がない」など、どんな小さな疑問でも構いません。

すどう社労士事務所では、ご相談者様のお体に配慮し、親身に丁寧にお話をお伺いしております。ご家族からのご相談も歓迎しておりますので、どうぞ安心してお気軽にお問い合わせください。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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