聴覚障害と障害年金‼受給する方法と認定基準【すどう社労士事務所】

聴覚に障害を持つ方は、日常生活や仕事において
「音や会話を集中して目で追う(読話や手話、文字情報の確認)」
「周囲の状況を常に視覚で警戒・察知する」といった行動を絶え間なく行っているため、外見からは見えにくい精神的・身体的な緊張や疲労を日々重ねていることと存じます。

聴覚障害が原因で障害年金を受給するための認定基準や等級目安、申請手順などを障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が詳しく解説します。

1級・2級・3級の基準(デシベル値・語音明瞭度)や、先天性・幼少期発症における初診日の証明、就労中のポイントまで網羅してお届けします。

 

聴覚障害で受給が決定した事例

 

【結論】

先天性難聴や中途失聴、突発性難聴などの聴覚障害は、障害年金の対象です。

聴覚障害は「純音聴力レベル値(デシベル)」や「語音明瞭度」といった客観的な検査数値で等級が判断されます。

働いていても受給できる可能性が高く、幼少期からの先天性であっても適切な書類や客観的資料を揃えることで受給につながります。

この記事が向いている方

  • 生まれつき、または幼少期からの難聴で障害年金を受け取れるか知りたい方
  • 中途失聴や突発性難聴、メニエール病などで耳の聞こえが悪くなり生活や仕事に支障がある方
  • 補聴器や人工内耳を使用しているが、障害年金の等級基準に該当するか分からない方
  • 「フルタイムで働いているから障害年金はもらえない」と思い込んでいる方
  • 子どもの頃のカルテが残っておらず、初診日の証明ができず困っている方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市など)で障害年金専門の社労士を探している方

この記事の目次

  1. 聴覚障害でも障害年金はもらえる?対象となる主な耳の疾患
  2. 聴覚障害で障害年金を受給するための「3つの基本要件」
  3. 【認定基準】聴覚障害における障害等級(1級〜3級・障害手当金)の目安
  4. 【2026年度】聴覚障害で受け取れる障害年金の金額目安
  5. 先天性難聴(20歳前傷病)で申請する際のポイントと初診日の壁
  6. 仕事をしながらでも聴覚障害で障害年金は受け取れる?
  7. 音声・言語機能障害や平衡感覚障害との「併合認定」
  8. 聴覚障害で障害年金を申請する5つの手順
  9. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ

1. 聴覚障害でも障害年金はもらえる?対象となる主な耳の疾患

「障害年金は手足の不自由や車椅子の方、重い精神障害のための制度」と思われがちですが、聴覚(耳の聞こえ)の障害も法令で定められた明確な支給対象です。

公的年金制度では、病気やケガによって日常生活や就労に著しい制限が生じている場合、現役世代の方であっても生活の安定を図るために障害年金が支給されます。

聴覚障害は外見からは不自由さが伝わりにくい「見えない障害」とも言われますが、会話の困難さや危険察知の遅れなど日常生活での支障は極めて大きく、制度上しっかりと保障されています。

1-1. 障害年金の対象となる主な聴覚疾患

障害年金の対象となる代表的な聴覚疾患・原因には以下のようなものがあります。

  • 先天性難聴(感音難聴、遺伝性難聴、胎内感染など)
  • 突発性難聴・急性低音障害型感音難聴
  • メニエール病(難聴・めまい・耳鳴りを伴う疾患)
  • 頭部外傷や音響外傷による難聴
  • 慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎による伝音・混合難聴
  • 薬剤性難聴・加齢性難聴 など

※病名そのものよりも、「どれくらい聞こえに支障が出ているか(聴力検査の数値)」が審査の中心となります。

2. 聴覚障害で障害年金を受給するための「3つの基本要件」

聴覚障害で障害年金を受給するためには、他の傷病と同様に公的年金制度が定める「3つの基本要件」を満たす必要があります。

要件①:初診日要件

耳の不調や難聴の症状で、初めて医師の診察を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが条件です。
(※20歳前の先天性難聴などの場合は加入前でも対象となります)

要件②:保険料納付要件

初診日の前日時点で、一定以上の年金保険料を納付(または免除・猶予)している必要があります。
未納が多いと受給できない場合があります(※20歳前の傷病の場合は納付要件は問われません)。

要件③:障害認定日要件

初診日から1年6ヶ月が経過した日(障害認定日)、または20歳に達した日において、法令で定められた障害等級基準を満たしている必要があります。

3. 【認定基準】聴覚障害における障害等級(1級〜3級・障害手当金)の目安

聴覚障害の等級判定は、原則として補聴器や人工内耳を「装着しない状態(裸耳)」で測定した「純音聴力レベル値(dB)」および「最良語音明瞭度(%)」の数値をもとに行われます。

障害等級 認定基準(聴覚の障害) 対象となる年金
1級 両耳の平均純音聴力レベル値が 100デシベル以上 のもの 障害基礎年金
障害厚生年金
2級 ・両耳の平均純音聴力レベル値が 90デシベル以上 のもの
・両耳の平均純音聴力レベル値が 80デシベル以上 かつ 最良語音明瞭度が 30%以下 のもの
障害基礎年金
障害厚生年金
3級 ・両耳の平均純音聴力レベル値が 70デシベル以上 のもの
・両耳の平均純音聴力レベル値が 50デシベル以上 かつ 最良語音明瞭度が 50%以下 のもの
障害厚生年金のみ
障害手当金 一耳の平均純音聴力レベル値が 80デシベル以上 のもの(一時金) 障害厚生年金のみ

1級認定を目指す際の注意点(他覚的聴力検査の必須化)

初めて障害年金1級相当の請求を行う場合は、通常の純音聴力検査(オージオメータ検査)に加えて、他覚的聴力検査(ABR:聴性脳幹反応検査、ASSR:聴性定常反応検査など)の実施と検査記録データの添付が必須となっています。
設備のある総合病院や大学病院での検査が必要になる場合があります。

4. 【2026年度】聴覚障害で受け取れる障害年金の金額目安

受給できる金額は、初診日に加入していた年金制度(国民年金か厚生年金か)、認定された等級、および配偶者やお子様の有無によって決まります。

4-1. 障害基礎年金(初診日が自営業・学生・無職・20歳前など)

  • 1級:年額 1,059,125円(月額 約8.8万円)+ 子の加算
  • 2級:年額 847,300円(月額 約7.0万円)+ 子の加算

※障害基礎年金には3級はありません(1級または2級のみ支給対象)。

4-2. 障害厚生年金(初診日に会社員・公務員など)

障害厚生年金の場合は、障害基礎年金(1・2級のみ)に加えて、過去の標準報酬月額や加入月数に応じた「報酬比例の年金」が上乗せされます。

  • 1級:障害基礎年金1級 + 報酬比例の年金額(1.25倍)+ 配偶者加給年金
  • 2級:障害基礎年金2級 + 報酬比例の年金額 + 配偶者加給年金
  • 3級:報酬比例の年金額(最低保障額:年額 635,500円)
  • 障害手当金:一時金として支給(報酬比例の額×2年分、最低保障額あり)

※障害年金は原則として非課税所得のため、所得税や住民税は課税されません。

5. 先天性難聴(20歳前傷病)で申請する際のポイントと初診日の壁

生まれつき難聴がある方や幼少期に発症した方は、「20歳前傷病による障害基礎年金」の枠組みで請求を行います。
この申請には特有の重要ポイントと難所があります。

5-1. 保険料納付要件は問われないが所得制限がある

20歳前の病気やケガであるため、年金保険料を納めていたかどうか(納付要件)は一切問われません。
ただし、ご本人の前年所得が一定基準を超える場合には、年金額の一部または全額が支給停止となる所得制限が設けられています。

5-2. 初診日を証明する書類(受診状況等証明書)が取れない問題

先天性難聴で最も大きな壁となるのが「子どもの頃の初診日の証明」です。
病院のカルテ保存義務は法律上5年と定められているため、大人になってから申請しようとすると「当時のカルテがすでに廃棄されている」「病院が廃院している」という事態に直面します。

しかし、カルテがないからといって申請を諦める必要はありません。
以下の客観的資料を積み上げることで、初診日を証明できる可能性があります。

  • 母子健康手帳(乳幼児健診の記録、保護者による難聴の記載欄)
  • 身体障害者手帳の申請時に提出した診断書(自治体の福祉窓口に開示請求)
  • 聾学校(特別支援学校)の在籍記録・健康診断票
  • 当時の診察券、補聴器購入時の領収書、お薬手帳など

6. 仕事をしながらでも聴覚障害で障害年金は受け取れる?

「正社員として一般企業で働いているから、障害年金は受給できないのでは?」と心配される方が非常に多くいらっしゃいます。

6-1. 聴覚障害は就労の有無が審査に影響しにくい

うつ病などの精神疾患や内臓疾患の場合、就労実態が等級判定に大きく影響することがあります。
しかし、聴覚障害はオージオメータ検査などによる「客観的な検査数値」が認定基準の中心となっているため、フルタイムで働いて十分な給与を得ていても、基準を満たしていれば原則として支給されます。

6-2. 職場での配慮や日常生活の困難さは申立書に具体的に書く

「病歴・就労状況等申立書」には、働いているからといって健常者と同じように就労できているわけではない実情を具体的に記載することが大切です。

  • 「電話対応は免除され、チャットツールやメールのみで連絡をとっている」
  • 「複数人が参加する会議では発言者の聞き取りが困難なため、文字起こしアプリや要約筆記の支援を受けている」
  • 「背後からのフォークリフトや車の音に気づかない危険があり、安全面での特別な配慮を受けている」

7. 音声・言語機能障害や平衡感覚障害との「併合認定」

聴覚障害をお持ちの方の中には、耳の聞こえだけでなく、付随する他の障害を併発しているケースがあります。

音声・言語機能の障害

先天性や幼少期の難聴により発音や言葉の明瞭度に困難がある場合、「音声・言語機能の障害」として診断書を評価してもらうことで、等級が繰り上がる(併合認定)可能性があります。

平衡機能(めまい・平衡感覚)の障害

メニエール病や内耳障害に伴い、激しいめまいやふらつき、立ちくらみが生じている場合、平衡感覚の障害についても正しく診断書に記載してもらうことが重要です。

聴覚障害用の診断書(様式第120号の2)には、聴覚だけでなく平衡機能や音声・言語機能を記載する欄が同一用紙内に用意されています。

主治医に状態を漏れなく診察してもらい、余すところなく記載してもらいましょう。

8. 聴覚障害で障害年金を申請する5つの手順

聴覚障害で障害年金を請求する大まかな流れは以下の通りです。

書類の整合性と検査データの準備が成否を分けるポイントとなります。

1

初診日の確認と証明書類の確保

初めて耳鼻咽喉科等を受診した日を特定し、初診の医療機関で「受診状況等証明書」を発行してもらいます。

カルテがない場合は代替資料を収集します。

2

保険料納付要件の確認

年金事務所で年金記録を照会し、初診日の前日時点で保険料の未納がないか要件を確認します(20歳前発症の場合は不要)。

3

専門医による聴力検査と診断書の作成

耳鼻咽喉科の医師に障害年金用の診断書作成を依頼します。

純音聴力検査や語音明瞭度検査(1級相当の場合は他覚的聴力検査)を適切に実施してもらいます。

4

病歴・就労状況等申立書の作成

発症時から現在までの生活状況、聞こえの不自由さ、家庭や職場での配慮事項などを本人が客観的かつ詳細に申立書にまとめます。

5

年金事務所への提出と審査

必要書類を一式揃えて年金事務所に提出します。

提出後、約3ヶ月〜4ヶ月程度で受給の可否が決定し、結果通知(年金証書)が届きます。

9. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、聴覚障害をはじめ、精神疾患や難病など幅広い傷病における障害年金請求を専門にサポートしております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:越谷市・春日部市・草加市・さいたま市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート経験がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • カルテ破棄案件や複雑な初診日証明への対応:幼少期発症や昔の傷病で初診日の証明が難しいケースでも、客観的証拠を丹念に洗い出して請求をサポートします。
  • 話しやすい女性相談員が在籍:聴覚障害の方でもご安心いただけるよう、筆談やメール、LINEなどの文字コミュニケーションによるきめ細やかな相談受付を行っております。
    手話が必要な場合も対応いたします。
  • 安心の完全成功報酬体系:着手金に関するご不安を抑え、年金が支給決定された場合にのみ報酬をいただく仕組みを採用しています。

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。

事務所名「ミモザ」に込めた想いについてはミモザの由来をご覧ください。

10. よくある質問

Q1. 補聴器や人工内耳をつけて日常生活を送れていますが、申請できますか?
A. はい、申請可能です。
障害年金の聴力検査は原則として補聴器や人工内耳を外した「裸耳」の状態で判定されます。
補聴器装着時に聞こえていても、裸耳での検査数値が基準を満たしていれば受給の対象となります。
Q2. 片耳だけが全く聞こえない場合(一側性難聴)でも障害年金はもらえますか?
A. 初診日に厚生年金に加入していた場合、一耳の平均純音聴力レベルが80デシベル以上であれば「障害手当金(一時金)」の対象となる可能性があります。
ただし、国民年金(障害基礎年金)には片耳のみの基準や3級・手当金の制度がないため、原則として支給対象外となります。
Q3. 身体障害者手帳を持っていなくても障害年金は申請できますか?
A. はい、申請できます。
身体障害者手帳(身体障害者福祉法)と障害年金(国民年金法・厚生年金保険法)は根拠となる法令が全く異なる別個の制度です。
手帳をお持ちでない方でも、年金制度の認定基準を満たしていれば受給可能です。
Q4. 先天性難聴で子どもの頃のカルテが残っていません。どうすれば良いですか?
A. 母子健康手帳、身体障害者手帳交付時の診断書開示、聾学校等の在籍記録など、当時の状況を客観的に証明できる書類を複数組み合わせることで初診日を認めてもらえるケースがあります。ぜひ一度ご相談ください。
Q5. 会社でフルタイム勤務していますが、申請したら会社に知られますか?
A. 原則として日本年金機構から勤務先へ申請や受給の事実が直接連絡されることはありません。また、聴覚障害は就労していても基準を満たしていれば支給対象となる傷病です。
Q6. 過去の分に遡って年金をまとめて受け取る(遡及請求)ことはできますか?
A. 障害認定日(20歳到達時や初診日から1年6ヶ月後など)の時点で基準を満たしていたことが当時の診断書や聴力検査結果等で証明できれば、法律上の時効(最大5年分)にかからない範囲で遡及して一括受給できる可能性があります。
Q7. 耳鳴りやめまいがひどいのですが、それらも考慮されますか?
A. 耳鳴り単独での障害年金認定は非常に困難ですが、難聴に伴う平衡感覚の障害(メニエール病等によるめまい・ふらつき)がある場合は、平衡機能障害として併せて評価を受けることができます。

11. まとめ

聴覚障害は、外見からは見えにくいため周囲にその苦労や生きづらさが理解されにくい側面がありますが、公的年金制度において明確なセーフティネットが用意されています。

  • 聴覚障害は「純音聴力レベル値」や「語音明瞭度」の客観的数値で認定される
  • 1級相当の請求には他覚的聴力検査(ABR等)のデータ添付が必須
  • 働いていても数値基準を満たしていれば受給できる可能性が非常に高い
  • 先天性難聴でカルテが破棄されている場合も、母子手帳や手帳交付時の診断書開示などで初診日証明が可能
  • 言葉の明瞭度やめまいがある場合は「併合認定」の活用も検討する

ご相談について

聴覚障害をお持ちの方にとって、年金事務所や病院との電話のやり取り、複雑な書類作成をご自身だけで進めることは想像以上の負担となります。

特に昔の初診日証明や検査数値の精査には専門的な知識が欠かせません。

すどう社労士事務所では、耳の聞こえに不安のある方でも安心してご相談いただけるよう、LINEやメールなどの文字ツール、筆談によるご相談を徹底しております。

ご状況に応じた具体的な進め方を丁寧にご案内いたします。

ご家族様からのご相談も歓迎しておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。
うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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