発達障害の二次障害で障害年金を申請するポイント【社労士が解説】

発達障害(ASD・ADHD)に伴う二次障害(うつ病や双極性障害等)で障害年金を申請する際の注意点を障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が徹底解説します。

初診日の特定のポイントや診断書の依頼の仕方、「病歴就労状況等申立書」の書き方、働きながら受給するための要件まで分かりやすくまとめています。

申請でお悩みの方はぜひご参考にしてください。

 

発達障害の二次障害が原因で障害年金受給が決定した事例

 

【結論】

発達障害(ASDやADHDなど)の二次障害として発症したうつ病や双極性障害も、障害年金の支給対象となります。

ただし、うつ病単体での申請とは異なり、「初診日の決定ルール」や「生まれつき・幼少期から現在までの病歴申立書の書き方」に独自の注意点が存在します。
正しい仕組みを理解し、不備のない書類を作成することが受給成功への大切なポイントです。

この記事が向いている方

  • 発達障害(ASD・ADHDなど)の二次障害としてうつ病や適応障害を発症し、生活や労働に支障が出ている方
  • 二次障害の影響で休職中・退職後であり、今後の生活費や収入面に強い不安を感じている方
  • 発達障害の二次障害で障害年金を申請する際、「初診日」がどこになるのか分からず悩んでいる方
  • 主医に書いてもらう診断書や、ご自身で書く「病歴・就労状況等申立書」の注意点を知りたい方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で障害年金専門の社労士へ相談したい方

この記事の目次

  1. 発達障害の二次障害(うつ病等)とは?障害年金の対象になる理由
  2. 発達障害の二次障害で障害年金を申請する際の3つの基本要件
  3. 【最重要】発達障害の二次障害における「初診日」の判定ルールと注意点
  4. 診断書や病歴就労状況等申立書を準備・作成する際の注意点
  5. 【2026年度】発達障害の二次障害で受け取れる障害年金の金額目安
  6. 働きながら発達障害の二次障害で障害年金を受給するためのポイント
  7. 発達障害の二次障害の申請でよくある失敗パターンと対策
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 発達障害の二次障害(うつ病等)とは?障害年金の対象になる理由

発達障害(自閉スペクトラム症:ASD、注意欠如・多動症:ADHD、学習障害:SLDなど)の特性を抱えながら日常生活や職場で過ごす中で、環境とのギャップや対人関係のストレス、過度な緊張が続くことによって、精神的な不調をきたすことがあります。
これを「二次障害(二次的障害)」と呼びます。

代表的な二次障害には、うつ病、適応障害、双極性障害、不安障害などがあります。
公的障害年金制度において、これらの二次障害は「精神の障害」の区分として明確に支給対象となっています。

1-1. 主な二次障害の傷病例

発達障害を背景として引き起こされる主な二次障害には、以下のような精神疾患が含まれます。

  • うつ病・気分障害(気分変容症・双極性障害など)
  • 適応障害(※抑うつ状態等を伴い重篤な場合)
  • 不安障害・パニック障害・強迫性障害
  • 睡眠障害・適応障害による各種身体症状

※神経症(適応障害や不安障害等)は原則として対象外とされていますが、臨床症状から実質的にうつ病等と同等と診断され、診断書にその旨が明記されている場合は対象となる可能性があります。

2. 発達障害の二次障害で障害年金を申請する際の3つの基本要件

発達障害の二次障害で障害年金を受給するには、他の傷病と同様に公的年金制度が定める「3つの基本要件」をすべて満たす必要があります。

要件①:初診日要件

障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入している必要があります。

要件②:保険料納付要件

初診日の前日時点で、初診日がある月の前前月までの加入期間において、一定以上の年金保険料を納付(または免除手続き)していることが必要です。

要件③:障害認定日要件

原則として初診日から1年6ヶ月が経過した日(障害認定日)において、法令で定められた障害等級(1級〜3級)に該当する障害状態にあることが条件となります。

3. 【最重要】発達障害の二次障害における「初診日」の判定ルールと注意点

発達障害の二次障害で申請を行う際、最も複雑でトラブルになりやすいのが「初診日」の決定です。
一般的なうつ病の申請とは異なり、日本年金機構の審査において特別な取り扱いがなされます。

3-1. 発達障害と二次障害(うつ病等)の「相当因果関係」

障害年金では、発達障害とそれによって引き起こされた二次障害(うつ病など)は、医学的・制度的に「同一の傷病(相当因果関係あり)」として扱われるのが一般的です。

つまり、うつ病で初めて受診した日よりも前に、発達障害の症状で医療機関を受診していた場合、その「発達障害で最初に受診した日」が初診日と判断されるケースが多くあります。

3-2. 初診日のパターン別の注意点

パターンA:大人になって初めて受診

大人になるまで病院にかかったことがなく、仕事上のストレスでうつ病と診断され、その後の検査で発達障害が判明したケースです。
この場合、「うつ病で最初にメンタルクリニック等を受診した日」が初診日となる可能性が高くなります。

パターンB:幼少期・学生時代に受診歴あり

子供の頃や学生時代に発達障害の診断や心理相談等で医療機関を受診していた場合、その「当時の受診日」が初診日(20歳前傷病扱い)と認定されるケースがあります。
当時のカルテ(診療録)の有無が重要です。

初診日がいつになるかによって、「国民年金(障害基礎年金)」になるか「厚生年金(障害厚生年金)」になるかが大きく変わり、支給額や受給条件(3級の有無など)に重大な影響を及ぼします。

4. 診断書や病歴就労状況等申立書を準備・作成する際の注意点

精神障害の年金審査は、面接ではなく「提出された書類のみ」で行われます。
そのため、提出書類の整合性と記載内容の精度が何よりも重要です。

4-1. 診断書作成依頼時の注意点

主治医に診断書を作成してもらう際は、単に「うつ病」の記載だけでなく、背景にある「発達障害の特性(こだわり、コミュニケーションの難しさ、パニックなど)」や「日常生活における具体的な支障」が適切に反映されているか確認しましょう。

  • 主病名だけでなく、副病名やICD-10コードに発達障害および二次障害が併記されているか
  • 診察時に伝えきれていない日常生活の不便さ(自炊、掃除、対人交流、買い物など)が反映されているか
  • 就労状況について、職場での特別な配慮やサポートの実態が盛り込まれているか

4-2. 病歴・就労状況等申立書の記載注意点

発達障害やその二次障害の場合、「病歴・就労状況等申立書」は出生時から現在までの経過を記載することが原則として求められます。
幼少期、小・中・高校・大学時代、就労期、現在に至るまでの各期間について、どのような生きづらさやトラブル、受診歴があったかを整理して正確に記述する必要があります。

5. 【2026年度】発達障害の二次障害で受け取れる障害年金の金額目安

受給できる障害年金の金額は、初診日に加入していた年金制度(国民年金か厚生年金か)、障害等級、およびご家族(配偶者や子)の有無によって決定されます。

5-1. 障害基礎年金(初診日に国民年金加入、または20歳前受診)

  • 1級:年額 1,059,125円(月額 約8.8万円)+ 子の加算
  • 2級:年額 847,300円(月額 約7.0万円)+ 子の加算

※障害基礎年金には3級の制度はありません。

5-2. 障害厚生年金(初診日に厚生年金加入)

  • 1級:障害基礎年金1級 + 報酬比例の年金額(1.25倍)+ 配偶者加給年金
  • 2級:障害基礎年金2級 + 報酬比例の年金額 + 配偶者加給年金
  • 3級:報酬比例の年金額(最低保障額:年額 635,500円)

障害年金で受け取る年金は全額非課税であり、所得税や住民税はかかりません。

6. 働きながら発達障害の二次障害で障害年金を受給するためのポイント

「仕事をしていると障害年金は100%不支給になる」と心配される方が多いですが、一概にそうとは言い切れません。
発達障害や二次障害を抱えながら勤務している場合でも、就労の実態によっては受給が認められる可能性が十分あります。

6-1. 審査で重視される就労環境の配慮

単に「働いて給与を得ている」という事実だけで一律に判断されるわけではなく、以下のような特別な配慮や援助を受けているかが大きな判断材料となります。

  • 障害者雇用枠で採用され、職務内容や勤務時間が著しく軽減されている
  • 上司や同僚から常に業務上の指示や手厚いサポートを受けている
  • 急な体調不良による欠勤や早退、別室での休憩が容認されている
  • 仕事が終わった後は極度に疲弊し、家事や身の回りのことが全くできない状態である

こうした職場での配慮や自宅での疲弊状態を、診断書や病歴申立書を通じて客観的かつ具体的に年金機構へ伝えることが不可欠です。

7. 発達障害の二次障害の申請でよくある失敗パターンと対策

発達障害と二次障害の申請では、書類の準備段階で不備が生じ、不支給や却下となってしまうケースが少なくありません。

失敗①:初診日の認識ズレ

うつ病で受診した病院を初診日として申請したものの、過去の発達障害の受診歴が判明し、初診日不確定として却下や書類返戻になるケース。

失敗②:診察時の伝達不足

「先生の前では元気に振る舞ってしまう」「困っていることをうまく説明できない」ため、診断書の実態評価が実際より軽くなってしまうケース。

失敗③:申立書と診断書の矛盾

主治医が記載した診断書の内容と、ご自身で作成した病歴・就労状況等申立書の日付や病状の記述に矛盾があり、信用性を疑われるケース。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、発達障害や二次障害(うつ病・適応障害等)をはじめとする精神疾患の障害年金申請を多数受任し、専門的にサポートしております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート実績がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:初診日の特定が困難なケースや、病歴申立書の整理が複雑な発達障害案件にも柔軟に対応いたします。
  • 話しやすい女性相談員が在籍:体調や精神的なご不安に寄り添い、丁寧かつ親身にヒアリングを行います。ご家族様からのご相談も大歓迎です。
  • 分かりやすいサポート料金:費用面でのご心配を減らし、安心してご相談・ご依頼いただける料金体系をご用意しております。

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 発達障害の確定診断を受けておらず「二次障害のうつ病」だけでも申請できますか?
A. はい、申請可能です。
発達障害の診断名がついていなくても、うつ病や双極性障害などの二次障害の診断書と症状で支給条件を満たしていれば受給の対象となります。
Q2. 精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても障害年金は申請できますか?
A. 申請できます。
障害者手帳と障害年金は全く別の制度です。
手帳を所持していない方でも、障害年金の支給条件を満たしていれば申請・受給が可能です。
Q3. 初診日の病院が昔すぎてカルテが廃棄されている場合はどうすればいいですか?
A. 診察券、お薬手帳、当時の領収書、家計簿、第三者(当時の知人や家族等)による証明資料などを集めることで、初診日を補完証明できる場合があります。
お気軽に当事務所までご相談ください。
Q4. 発達障害の二次障害で申請する場合、病歴申立書は生まれた時から書く必要がありますか?
A. 原則として、発達障害が関連する申請では幼少期からの経過を記載することが求められます。当時の記憶や記録を思い出しながら整理する作業が大切になります。
Q5. 障害年金を申請したことが勤務先に知られる可能性はありますか?
A. 日本年金機構からお勤め先へ直接申請事実が通知されることは原則ありません。
プライバシーは保護されていますので安心してお手続きいただけます。
Q6. 自分で手続きを進めるのが体調的に難しいのですが、家族が代行しても大丈夫ですか?
A. ご家族様によるお手伝いや代理でのご相談も大歓迎です。
当事務所でもご家族様からのご相談を数多くお受けしております。
Q7. 社労士に依頼することでどのようなメリットがありますか?
A. 複雑な初診日特定や病歴申立書の作成、医師へのスムーズな診断書依頼のアドバイスを行うことで、受給可能性を高めるとともに、ご本人様やご家族様の精神的・身体的負担を大幅に軽減できます。

10. まとめ

発達障害の二次障害(うつ病や適応障害等)による生活・仕事の苦しさは、外見からはなかなか理解されにくいものです。
障害年金は、そうした生きづらさを抱える方を支える貴重な公的制度です。

  • 発達障害に伴う二次障害(うつ病等)も障害年金の支給対象となる
  • 発達障害と二次障害は原則同一傷病と扱われ、初診日の特定が重要になる
  • 病歴・就労状況等申立書は原則として出生時から現在までの経過を丁寧に書く必要がある
  • 就労中であっても、職場での配慮や生活の実態を正しく証明できれば受給の可能性がある

ご相談について

発達障害や二次障害の不調を抱えながら、ご自身で複雑な年金申請手続きを進めるのは大変な労力とストレスを伴います。
「初診日がいつになるのか分からない」「申立書をどう書いていいか分からない」とお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

すどう社労士事務所では、ご相談者様の体調やペースに配慮しながら丁寧にお話をお伺いしております。
ご家族からのご相談も歓迎しています。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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