生活保護と障害年金は両方もらえる?併用の仕組み【社労士が解説】

生活保護を受給していても障害年金を申請して受給することができるのかを障害年金の専門『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が分かりやすく解説します。

障害年金を受給した際の生活保護費への影響(収入充当)や、障害者加算による手取り額増加のメリットについて
ケースワーカーから申請を勧められた場合の進め方まで網羅致します。

 

 

生活保護を受けながら障害年金の受給が決定した事例

 

 

【結論】

生活保護を受給していても、障害年金を申請し同時に受給することは可能です。

ただし障害年金を受給するとその分生活保護費は減額(収入充当)されます。
が、障害年金を受給することで「障害者加算」が適用される場合があり、世帯全体の総手取り額が増える大きなメリットがあります。
ケースワーカーから申請を勧められている場合も、正しい仕組みを理解して適切に準備を進めることが大切です。

この記事が向いている方

  • 現在生活保護を受給中で、自分も障害年金をもらえるのか知りたい方
  • ケースワーカーから「障害年金を申請してください」と言われて不安を感じている方
  • 「障害年金をもらうと生活保護を打ち切られてしまうのではないか」と心配な方
  • 障害年金を受給することで支給される「障害者加算」の条件やメリットを知りたい方
  • 生活保護を受けながら障害年金を申請する手順や注意点を把握したい方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で障害年金専門の社労士を探している方

この記事の目次

  1. 生活保護受給中でも障害年金はもらえる?両立の基本
  2. 障害年金をもらうと生活保護費はどうなる?(収入充当と減額の仕組み)
  3. 生活保護と障害年金を併用する「3つのメリット」
  4. 障害年金を受給するための「3つの基本要件」
  5. 生活保護を受給しながら障害年金を申請する5つの手順
  6. ケースワーカーから障害年金の申請を勧められた時の対処法
  7. 生活保護受給中の障害年金申請で失敗しないための注意点
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 生活保護受給中でも障害年金はもらえる?両立の基本

「生活保護をもらっていると、障害年金は申請できないのではないか」「二重取りになってしまうのでは」とお悩みの方が多くいらっしゃいます。
結論から申し上げますと、生活保護を受給していても障害年金を申請し、両方から支給を受けることは法的にまったく問題ありません。

公的扶助である生活保護と、社会保険制度である障害年金は、本来異なる目的で作られた制度です。
病気やケガによって日常の生活や就労に制限がある方であれば、生活保護の受給有無に関わらず障害年金を請求する権利があります。

1-1. 他法優先(他施策優先)の原則とは

生活保護法には「他法優先の原則」というルールが存在します。
これは、「生活保護を受ける前に、まず活用できる他の制度や法律(障害年金や傷病手当金など)を優先して利用しなければならない」という仕組みです。

そのため、障害年金を受給できる可能性のある生活保護受給者の方は、福祉事務所や担当ケースワーカーから障害年金の申請を促されるケースが一般的です。

1-2. 生活保護を打ち切られる心配はありません

障害年金を受給し始めたからといって、すぐに生活保護が打ち切られるわけではありません。
障害年金の金額が国の定める最低生活費を下回っている場合は、差額分の生活保護費が引き続き支給されますのでご安心ください。

2. 障害年金をもらうと生活保護費はどうなる?(収入充当と減額の仕組み)

生活保護と障害年金を両方受給する場合、支給される金額の調整(収入充当)が行われます。この仕組みをあらかじめ正しく理解しておくことが大切です。

2-1. 障害年金は全額「収入」として判定される

生活保護制度では、受給した障害年金は全額が「収入」として計算されます。
そのため、支給される生活保護費から障害年金の受給額が差し引かれる(減額される)ことになります。

項目 障害年金の申請前 障害年金の受給後(例:障害年金 月6.5万円)
最低生活費(基準額) 130,000円 130,000円
障害年金受給額 0円 65,000円(全額収入充当)
支給される生活保護費 130,000円 65,000円(差額支給)
手取り総額 130,000円 130,000円(※加算がない場合)

このように、単に障害年金を受給しただけでは「手取りの総額が変わらない」ように見えますが、実は障害年金を受給することで生活保護費にプラスアルファの加算がつく仕組みが存在します。

3. 生活保護と障害年金を併用する「3つのメリット」

「生活保護費が減額されるなら、わざわざ苦労して障害年金を申請する意味がないのでは?」と思われるかもしれません。
しかし、障害年金を受給することには大きなメリットが存在します。

  • メリット①:「障害者加算」が適用され毎月の手取り額が増える可能性がある
    障害年金の1級または2級に認定されると、生活保護費に「障害者加算」が上乗せされます。
    加算がつくことで、生活保護のみを受給していた頃よりも毎月の実質的な手取り収入が増加します。
  • メリット②:生活保護から自立する際の安定した権利・財産になる
    生活保護は毎月の状況によって支給額の変更や打ち切りの可能性がありますが、障害年金は法令に基づいたご自身の権利です。
    将来的に就労などで生活保護から脱却(保護廃止)した際にも、障害年金は貴重な収入源として受け取り続けることができます。
  • メリット③:医療費や各種支援サービスの選択肢が広がる
    障害年金の認定を受けることで、障害福祉サービスの利用手続きがスムーズになったり、将来的な生活設計が立てやすくなったりする安心感を得られます。

4. 障害年金を受給するための「3つの基本要件」

生活保護を受給しているかどうかに関わらず、障害年金を申請するためには公的年金制度が定める3つの基本要件を満たしている必要があります。

要件①:初診日要件

障害の原因となった病気やケガで、初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが条件です。
生活保護受給前から症状があった場合は、その当時の受診日が初診日となります。

要件②:保険料納付要件

初診日の前日時点で、一定以上の年金保険料を納めている(または免除手続きをしている)必要があります。
なお、生活保護(生活扶助)を受給している期間は国民年金保険料が「法定免除」となるため、納付要件を満たしやすくなります。

要件③:障害認定日要件

原則として初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)において、法令で定められた障害等級(1級〜3級)に該当する状態である必要があります。

5. 生活保護を受給しながら障害年金を申請する5つの手順

生活保護を受給しながら障害年金を手続きする場合、ケースワーカーとの連携を取りながら進めることが重要です。

1

ケースワーカーへの相談・共有

障害年金の申請を検討している旨をケースワーカーに伝えます。
診断書費用などの扱いについてもこの段階で確認しておきます。

2

初診日の特定と「受診状況等証明書」の取得

初めて医療機関にかかった日を特定し、その病院で初診日を証明する書類(受診状況等証明書)を発行してもらいます。

3

主治医へ診断書の作成依頼

現在の主治医に障害年金用の診断書作成を依頼します。
日常生活の不便さや苦労している点を事前にメモ等で伝えておくことがポイントです。

4

病歴・就労状況等申立書の作成

発症から現在までの病状経過や、生活上の制限についてご自身(または社労士などの代理人)が書面に詳しくまとめます。

5

年金事務所への提出・審査待ち

すべての書類を揃えて年金事務所へ提出します。
審査結果が出るまで約3〜4ヶ月かかります。受給が決定した際は速やかに福祉事務所へ報告します。

6. ケースワーカーから障害年金の申請を勧められた時の対処法

「ケースワーカーから障害年金の申請を強要された」「手続きが難しそうなのにどうすればいいか分からない」と悩まれるケースが増えています。

6-1. なぜケースワーカーは障害年金の請求を促すのか?

前述の通り、生活保護制度には「他法優先の原則」があるため、福祉事務所のケースワーカーは制度上、受給できる可能性のある年金手続きを案内する義務があります。
自治体の保護費予算の適正化という意味合いもありますが、決してみなさんを困らせるために圧力をかけているわけではありません。

6-2. 診断書作成費用の取り扱いについて

障害年金の請求に必要な医師の診断書費用(1通あたり5,000円〜10,000円程度)について、ケースワーカーからの指示(指示書)に基づいて申請する場合、自治体(福祉事務所)から「給付金」や「臨時特別な経費」として診断書料が実費支給されるケースが多く存在します。

自己負担を抑えて申請できる場合がありますので、診断書を依頼する前に必ずケースワーカーへ相談しましょう。

7. 生活保護受給中の障害年金申請で失敗しないための注意点

生活保護受給中の障害年金申請では、特有の注意点が存在します。
知らずに進めるとトラブルになる可能性があるため注意が必要です。

遡及請求(過去分の年金受給)の取り扱い

障害年金が遡って認定され、数年分の年金がまとめて振り込まれた場合(遡及受給)、その過去の年金額は「過去に遡って生活保護費の返還(生活保護法第63条等)」に充てられることになります。
一時金が手元にそのまま残るわけではない点に注意が必要です。

受給決定後の報告漏れ・不申告

障害年金の支給が決定したにもかかわらず、福祉事務所へ報告(収入申告)を怠ると「不適正受給」とみなされ、返還を求められる場合があります。
年金決定通知書が届いたらすぐにケースワーカーへ提出しましょう。

初診日やカルテの証明が困難な場合

生活保護を受給する前の古い受診履歴が証明できないと、申請自体がストップしてしまうことがあります。
専門的なノウハウに基づいた証明資料の収集が必要です。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

『すどう社労士事務所』では、生活保護を受給中の方からの障害年金申請のご相談にも多数対応しております。
ケースワーカー様とのやり取りや、複雑な初診日証明の手続きをスムーズにサポートいたします。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート実績がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:積み重ねたノウハウで、初診日特定が困難なケースや生活保護特有の調整業務にも的確に対応いたします。
  • 福祉事務所・ケースワーカーとの連携サポート:申請の進捗や費用面でのご不安についても、丁寧にお伺いしながら進めてまいります。
    ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大歓迎です。
  • 安心の料金システム:費用面でのご不安を解消できるよう、事前の説明と透明性のある体制を整えています(詳細はサポート料金をご覧ください)。

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。

事務所の名称「ミモザ」に込めた想いについてはミモザの由来にてご紹介しています。

9. よくある質問

Q1. 障害年金をもらうと生活保護は完全に打ち切られてしまいますか?
A. いいえ、必ずしも打ち切られるわけではありません。
障害年金の受給額が国で定められた最低生活費を下回る場合は、差額分の生活保護費が引き続き支給されます。
障害年金のみで最低生活費を上回る場合に限り、生活保護の廃止(自立)となります。
Q2. 障害年金の診断書費用は生活保護費から支払ってもらえますか?
A. ケースワーカーからの指示に基づいて障害年金を請求する場合、福祉事務所から診断書料が実費分として支給(一時扶助等)されるケースが多くあります。
必ず診断書を病院に依頼する前にケースワーカーへ確認してください。
Q3. 障害年金が遡って支給された場合(遡及請求)、そのお金はどうなりますか?
A. 生活保護を受給していた期間に対応する過去の障害年金額は、原則として過去に支給された生活保護費の返還金(生活保護法第63条に基づく返還義務)に充当されます。
全額を手元に残すことはできませんので注意が必要です。
Q4. 生活保護受給中の国民年金免除期間は障害年金の納付要件を満たしますか?
A. はい、満たします。生活保護(生活扶助)を受給している期間は、国民年金保険料が「法定免除」となります。
法定免除の期間中に初診日がある場合、保険料納付要件を満たしているものとして扱われます。
Q5. 障害年金で「障害者加算」がつくのはどのような場合ですか?
A. 原則として、障害年金の1級または2級に認定された場合、生活保護費に「障害者加算」が適用されます。
障害基礎年金2級の場合、月額で約1万5千円〜1万8千円程度の加算がつくため、毎月の実質的な手取り収入が増加します。
Q6. 身体障害者手帳や精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても申請できますか?
A. はい、申請可能です。障害者手帳と障害年金は全く異なる制度・審査基準です。手帳を所持していなくても、障害年金の支給要件を満たしていれば受給することができます。
Q7. 社労士に申請手続きを依頼したいのですが、費用はどのように支払えばよいですか?
A. 当事務所では生活保護受給者様のご事情に配慮し、初期費用を抑えた柔軟なサポートプランをご用意しております。
具体的なお支払い方法や時期については、事前の無料相談にて丁寧にご説明いたします。

10. まとめ

生活保護受給中の障害年金申請は、一見すると「減額されるから意味がない」ように思われがちですが、実際には手取り額の増加や将来の自立に向けた大きな権利獲得につながります。

  • 生活保護受給中でも障害年金を同時受給することは法的・制度的に可能
  • 障害年金を受給すると生活保護費は減額されるが、1級・2級なら「障害者加算」がつき手取りが増える可能性がある
  • ケースワーカーの指示による申請の場合、診断書費用などが保護費から支給される場合がある
  • 過去の遡及受給分は生活保護費の返還に充てられるため事前の理解が必要

ご相談について

生活保護を受給しながらの障害年金申請は、ケースワーカーとのやり取りや書類準備など、ご自身だけで進めるには大きな不安や手間が伴います。
「ケースワーカーに申請を勧められたがどうすればいいか分からない」「自分の場合、加算がついて手取りが増えるのか知りたい」など、どのようなことでもご相談ください。

すどう社労士事務所では、ご相談者様の状況に寄り添い、分かりやすく親身にご案内いたします。
どうぞお気軽にお問い合わせください。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。うつ病・がん・脳血管障害・心疾患・難病など、幅広い傷病での障害年金申請をサポート。

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