双極性障害の障害年金|認定基準と申請方法【すどう社労士事務所】

双極性障害(躁うつ病)は、気分が高揚して活動的になる「躁(そう)状態」と、意欲や気力が著しく低下する「うつ状態」と、正反対の病相を周期的に繰り返す脳の病気です。

双極性障害(躁うつ病)を抱える方は、気分の波によって心身が激しく揺れ動くことや、躁状態の言動への自己嫌悪、うつ状態の深い無力感に強い苦しみを抱えてしまうと言われています。

躁状態とうつ状態の波があり、障害年金の申請で実態が伝わりにくい傷病です。

受給要件や障害等級(1〜3級)の認定基準や初診日や就労時の注意点と申請手順を障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が分かりやすく解説します。

 

双極性障害での受給事例はこちら

 

【結論】

双極性障害(躁うつ病)は、公的年金制度における障害年金の明確な支給対象です。

気分が高揚する「躁状態」と気力が著しく落ち込む「うつ状態」を繰り返すため、診察時の様子だけで症状が軽く見られてしまう落とし穴があります。

波がある日常生活や就労の困難さを主治医に正しく伝え、適切な書類を作成することが受給に向けた極めて重要なポイントです。

この記事が向いている方

  • 双極性障害(躁うつ病)と診断され、気分の波によって安定した就労ができない方
  • うつ状態のときは寝たきりになり、身の回りのことや家事が困難になる方
  • 躁状態のときに活動的になりすぎて後で後悔し、生活破綻のリスクを抱えている方
  • 最初は「うつ病」と診断されて転院を繰り返しており、初診日が曖昧な方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で双極性障害に詳しい専門社労士を探している方

この記事の目次

  1. 双極性障害(躁うつ病)でも障害年金は受け取れる?
  2. 双極性障害で障害年金を受給するための「3つの基本要件」
  3. 双極性障害の障害等級(1級〜3級)と判定基準
  4. 【2026年度】双極性障害で受け取れる障害年金の金額目安
  5. 双極性障害特有の申請時の注意点|気分の波と初診日
  6. 働きながらでも双極性障害で受給できる?審査のポイント
  7. 双極性障害で障害年金を申請する5つの手順
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 双極性障害(躁うつ病)でも障害年金は受け取れる?

「障害年金は手足の不自由な方や目が見えない方のための制度」と思われがちですが、双極性障害(躁うつ病)をはじめとする精神疾患も明確な支給対象として法律で定められています。

双極性障害は、気分が沈み込む「うつ状態」と、気分の高揚や活動性の亢進が見られる「躁状態(または軽躁状態)」を周期的に繰り返す病気です。

気分の波によって人間関係や職場のトラブルにつながりやすく、安定した就労や自立した社会生活を送ることが困難になるため、生活のセーフティネットとして障害年金が用意されています。

1-1. 対象となる双極性障害の類型

精神医学的な分類にかかわらず、日常生活や就労に重大な支障が出ている場合は受給対象となる可能性があります。

  • 双極Ⅰ型障害(激しい躁状態とうつ状態を繰り返す)
  • 双極Ⅱ型障害(軽躁状態と重いうつ状態を繰り返す)
  • 気分循環性障害、特定不能の双極性障害

2. 双極性障害で障害年金を受給するための「3つの基本要件」

双極性障害で障害年金を受給するためには、公的年金制度が定める以下の「3つの基本要件」を満たす必要があります。

要件①:初診日要件

双極性障害(または前兆として受診したうつ病など)で初めて医療機関を受診した日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが条件です。

要件②:保険料納付要件

初診日の前日時点で、それまでの公的年金保険料を一定基準以上納めている(または免除・猶予を受けている)必要があります。

要件③:障害認定日要件

初診日から原則として1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)において、国が定める障害等級の基準に該当している必要があります。

3. 双極性障害の障害等級(1級〜3級)と判定基準

審査では「精神の障害用」診断書を用い、日常生活能力の程度や日常生活での支障、就労制限の度合いが総合的に判断されます。

障害等級 状態の目安(精神疾患・双極性障害) 対象となる年金
1級 他人の援助を受けなければ日常生活がほとんどできない状態(全面的な見守り・介助が必要、在宅療養や入院が続く) 障害基礎年金
障害厚生年金
2級 日常生活に著しい制限を受け、一人での生活が著しく困難な状態(家事や身の回りのこと等に家族の援助が必要、自立が困難) 障害基礎年金
障害厚生年金
3級 労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする状態(配慮のない通常勤務が困難) 障害厚生年金のみ

※初診日に国民年金加入(自営業・主婦・学生など)だった場合は1級または2級のみが対象です。初診日に会社員や公務員として厚生年金に加入していた場合は、3級でも障害厚生年金の対象となる可能性があります。

4. 【2026年度】双極性障害で受け取れる障害年金の金額目安

障害年金の給付額は、初診日の年金加入種別(国民年金か厚生年金か)、等級、生計を維持している配偶者やお子様の有無によって決まります。

4-1. 障害基礎年金(初診日に国民年金加入)

  • 1級:年額 1,059,125円(月額 約8.8万円)+ 子の加算
  • 2級:年額 847,300円(月額 約7.0万円)+ 子の加算

4-2. 障害厚生年金(初診日に厚生年金加入)

厚生年金加入中に初診日がある場合は、基礎年金に加えて現役時代の報酬額・加入月数に応じた「報酬比例部分」が上乗せされます。

  • 1級:障害基礎年金1級 + 報酬比例の額(1.25倍)+ 配偶者加給年金
  • 2級:障害基礎年金2級 + 報酬比例の額 + 配偶者加給年金
  • 3級:報酬比例の額(最低保障額:年額 635,500円)

※障害年金は原則として非課税です。

税金(所得税・住民税)が差し引かれることなく全額を受け取ることができます。

5. 双極性障害特有の申請時の注意点|気分の波と初診日

双極性障害の申請では、傷病の性質上、一般的な精神疾患よりも書類作成において注意すべきポイントが複数存在します。

診察時の「過大評価」リスク

躁状態や軽躁状態のときに受診すると、医師の前で「調子が良いです」「何でもできます」と明るく話してしまい、実態よりも軽い診断書が作成されてしまう恐れがあります。

「うつ病」からの病名変更と初診日

多くの場合、最初は「うつ病」や「不眠症」と診断され、数年後に躁状態が現れて「双極性障害」へ診断名が変更されます。

初診日は診断名が変わった日ではなく、最初に受診した日となります。

躁状態による生活上のトラブルの記録

多額の浪費、無謀なローン、衝動的な退職など、躁状態によって社会生活に生じた具体的な不利益やトラブルを申立書等に明記することが重要です。

6. 働きながらでも双極性障害で受給できる?審査のポイント

「仕事をしていると精神疾患の障害年金は絶対に落ちる」と思い込まれている方が多いですが、一概にそうとは言い切れません。

6-1. 就労実態や職場の配慮が考慮される

双極性障害を抱えながら勤務している場合でも、次のような配慮や事情が書類で立証されていれば、受給が認められる可能性は十分にあります。

  • 障害者雇用枠で採用され、業務量や精神的負担の軽減を受けている
  • 同僚や上司のサポートがあり、気分の波に応じた欠勤や早退が認められている
  • 一般雇用であっても単純作業に限定され、周囲の配慮のもとで働いている
  • 仕事以外の時間は疲弊しきっており、家事や身の回りのことが一切自力でできない

就労している事実だけでなく、「職場でどのような支援・配慮を受けているか」「帰宅後の日常生活が破綻していないか」を客観的に証明することが鍵となります。

7. 双極性障害で障害年金を申請する5つの手順

申請には複数の書類準備が必要です。
体調の波に配慮し、うつ期に無理をして悪化させないよう計画的に進めましょう。

1

初診日の医療機関の特定

うつや不眠などの症状で初めてメンタルクリニックや心療内科を受診した医療機関を特定します。

2

受診状況等証明書の取得

初診の医療機関で初診日証明書(受診状況等証明書)を作成してもらいます。転院歴がある場合は必須の手続きです。

3

主治医へ診断書の作成依頼

現在の主治医に精神の診断書作成を依頼します。
躁状態とうつ状態の波や、最悪時の日常生活の困難さをまとめたメモを添えて依頼すると効果的です。

4

病歴・就労状況等申立書の作成

発症から現在までの経過、気分の波による日常生活や就労の困難さを、ご本人またはご家族の視点から詳しく書面にまとめます。

5

年金事務所への提出・審査

書類一式を年金事務所に提出します。審査には通常3〜4ヶ月程度かかり、結果が通知されます。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、双極性障害をはじめとする精神疾患の障害年金申請を専門的に支援しております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:越谷市・春日部市・草加市・さいたま市・川口市を中心に埼玉県全域で豊富な実績があります(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:過去の病歴が長く初診日特定が難しいケースや、就労中の精神案件にも精通しています。
  • 話しやすい女性相談員が在籍:気分の波や繊細なお悩みに寄り添い、体調に配慮して親身にお話を伺います。
    ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大丈夫です。
  • 明朗なサポート料金:着手金や相談料の心配を減らし、安心してご依頼いただける報酬体系を整えています。

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。

9. よくある質問

Q1. 昔「うつ病」と言われ、最近「双極性障害」に診断が変わりました。初診日はいつになりますか?
A. 双極性障害と診断された日ではなく、最初にうつ病などの精神症状で医療機関を受診した日が初診日として扱われます。
Q2. 躁状態のときは元気に動けてしまうのですが、不支給になってしまいますか?
A. 一時的に活動的であっても、その後に重度のうつ状態に陥るなど「波があること」自体が双極性障害の特徴です。
年間を通じた平均的な生活状況や躁状態によるトラブルの実態を正しく書類に反映させることが重要です。
Q3. 精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても申請できますか?
A. はい、申請可能です。
精神障害者保健福祉手帳と障害年金は管轄も基準も異なる別の公的制度です。手帳を所持していなくても障害年金の要件を満たしていれば受給できます。
Q4. 休職中で傷病手当金をもらっていますが、障害年金と同時に受け取れますか?
A. 同一の疾病で同時に受給する場合、併給調整が行われます。
障害厚生年金が傷病手当金より少ない場合は差額が支給され、障害年金のほうが多い場合は傷病手当金が支給停止となります。
Q5. 家族が代理で相談や手続きを進めることはできますか?
A. もちろんです。
双極性障害では、うつ期の気力低下や躁期の混乱によりご本人が手続きを進めるのが難しいケースが多いため、ご家族様からのご相談・ご依頼を多数いただいております。
Q6. 過去の分を遡ってまとめて受給する(遡及請求)ことは可能ですか?
A. 障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)時点で法令の基準に該当していたことが当時のカルテや診断書で証明できれば、時効(最大5年分)にかからない範囲で一括受給できる可能性があります。
Q7. 初診の病院が10年以上前でカルテが廃棄されている場合はどうすればよいですか?
A. お薬手帳、診察券、健康保険の給付記録、家計簿、第三者証明などを組み合わせることで初診日を証明できる場合があります。
あきらめずに当事務所へご相談ください。

10. まとめ

双極性障害(躁うつ病)は、病状の波により生活や仕事に重大な支障が出やすい傷病ですが、障害年金は治療に専念し安定した生活を取り戻すための大切な経済的基盤となります。

  • 双極性障害も公的障害年金の明確な支給対象である
  • 初診日は「双極性障害と診断された日」ではなく「最初に精神症状で受診した日」
  • 診察時の印象だけでなく、波がある日常生活の困難さを主治医に共有することが大切
  • 就労中であっても職場での配慮や就労実態次第で受給の可能性がある

ご相談について

双極性障害を抱えながら、体調の波と闘いつつ複雑な公的年金の書類を揃えるのは、想像以上に過酷な作業です。

「調子の良い時に頑張りすぎて悪化してしまう」「初診日の証明が取れなくて困っている」など、どのようなお悩みでも構いません。

すどう社労士事務所では、ご相談者様の体調に配慮し、無理のないペースで丁寧に手続きをサポートいたします。
ご家族からのご相談も歓迎しております。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。
うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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