がんの転移・再発で障害年金を受給できる?申請のポイント【すどう社労士事務所】

がんが転移・再発し、抗がん剤治療の再開や全身の倦怠感・痛み等で日常や就労に大きな支障が出ている場合、障害年金を受給できる可能性があります。

本記事では、がんの転移・再発における初診日の重要ルールや認定基準(PS)、申請時の注意点まで、障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が分かりやすく解説します。

がんの再発で就労が難しくお困りの方の参考になれば幸いです。

 

がん(悪性新生物)の再発で障害年金受給の事例はこちら

 

 

 

 

【結論】

がん(悪性新生物)が転移・再発した場合でも、障害年金を受給することは十分に可能です。

転移や再発によって抗がん剤治療・放射線治療を再開し、強烈な倦怠感や全身衰弱、痛み、手足のしびれなどで日常の生活や仕事に大きな支障が生じている場合、公的障害年金の支給対象となります。

ただし、転移・再発時の申請では「初診日」がいつになるかの判定が非常に複雑になるため、正しい知識と準備が不可欠です。

この記事が向いている方

  • がんが他臓器へ転移(骨転移・肺転移・脳転移など)または再発し、治療の再開で身体的・経済的に辛い方
  • 抗がん剤や放射線治療の副作用(激しい倦怠感・吐き気・手足のしびれ等)で以前のように働けなくなった方
  • 最初の「原発がん」の初診日と、今回の「転移・再発」の初診日のどちらで申請すればよいか分からない方
  • 過去に「社会的治癒」があったのかどうか、自分のケースで受給できるか知りたい方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で、がんの障害年金申請に強い専門社労士を探している方

この記事の目次

  1. がんの転移・再発でも障害年金はもらえる?
  2. がんの「転移・再発」における初診日の重要ルール
  3. がんの障害年金認定基準と一般状態気用度(PS)
  4. 【2026年度】がんの転移・再発で受け取れる障害年金の給付額目安
  5. 転移・再発後に働きながら・休職中でも受給できる?
  6. がんの転移・再発で障害年金を申請する5つの手順
  7. 転移・再発時の申請でよくある注意点と失敗事例
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. がんの転移・再発でも障害年金はもらえる?

「最初にがんと言われたときは元気に働けていたけれど、数年後に転移・再発して治療が始まり、体が動かなくなった……」というご相談は非常に多く寄せられます。

障害年金は、病名や部位だけでなく「その症状や治療によって、日常の生活や仕事にどれだけの制限が出ているか」を基準に判定されます。
そのため、がんが転移・再発し、辛い症状や副作用によって生活・就労に著しい困難がある場合、公的障害年金の支給対象となります。

がんの転移や再発に伴い、治療費や薬代の負担が増える一方で、休職や短時間勤務による収入減少が発生しやすくなります。
障害年金は、そうした療養中の生活を支える重要なセーフティネットです。

1-1. 転移・再発時に見られる主な障害状態

がんが転移・再発した場合、原発部位(がんが最初に発生した場所)の症状にとどまらず、全身的な影響や転移先特有の症状が現れます。

  • 抗がん剤の副作用による激しい倦怠感・全身衰弱:継続的な投与により起き上がることが困難になる状態
  • 骨転移による痛み・運動障害:強い痛みに伴う歩行困難や骨折リスクによる動作制限
  • 脳転移による神経症状・高次脳機能障害:手足のマヒ、けいれん、記憶・注意力の低下など
  • 肺・肝臓等への転移による機能不全:呼吸困難、黄疸、著しい腹水、栄養障害(悪液質)
  • 人工肛門(ストーマ)や人工尿路の設置:手術や治療に伴う身体機能の変更

これらの症状によって「身の回りのことに手助けが必要」「横になっている時間が多い」「仕事を行うことが難しい」という状態であれば、障害年金の受給可能性があります。

2. がんの「転移・再発」における初診日の重要ルール

がんの転移・再発案件で最も重要かつ複雑になるのが「初診日(障害の原因となった病気で初めて医師の診療を受けた日)」の特定です。

初診日がいつになるかによって、「国民年金か厚生年金か」「保険料の納付要件を満たしているか」「いくら受給できるか」が大きく変わってきます。

2-1. 原則:転移・再発は「原発がんの初診日」が初診日となる

障害年金の制度上、がんの転移や再発は「最初にがんが発生した(原発巣の)治療の延長・関連」とみなされるのが原則です。

たとえば、5年前に乳がんの初回手術を受け、今回骨に転移が発覚した場合でも、原則的な初診日は「5年前に乳がんで初めて医師の診察を受けた日」となります。転移先の病院を初めて訪れた日ではない点に十分な注意が必要です。

2-2. 例外:「社会的治癒」が認められるケース

過去にがんの治療が一旦完全に終了し、一定期間(概ね5年以上が目安)、薬の服用や通院もなく、健康な人と同様に通常の社会生活・就労を送っていた期間がある場合、「社会的治癒」と認められるケースがあります。

社会的治癒が認められると、過去の原発がんは「一旦治癒した」とみなされ、再発・転移後に改めて受診した日が「新しい初診日」として扱われます。

原発時のカルテが廃棄されている場合や、再発時に厚生年金へ加入している場合などに重要な選択肢となります。

3. がんの障害年金認定基準と一般状態気用度(PS)

がんの障害審査では、血液検査などの数値データだけでなく、主治医が診断書に記入する「一般状態気用度(Performance Status : PS)」という日常の活動制限指標が決定的な役割を果たします。

障害等級 一般状態気用度(区分) 状態の目安(転移・再発がんの場合) 対象となる年金
1級 区分E (PS4に相当) 身の回りのこともできず、終日就床を必要とし、常時介護を要する状態。 障害基礎年金
障害厚生年金
2級 区分D (PS3に相当) 身の回りのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要。日中の50%以上は就床または車椅子生活。 障害基礎年金
障害厚生年金
3級 区分C (PS2に相当) 軽度の症状があり、軽作業はできないが日中の50%以上は起居している。労働が著しい制限を受ける状態。 障害厚生年金のみ

※初診日に「国民年金」へ加入していた場合は1級または2級のみが対象となります。

「厚生年金」へ加入していた場合は、労働に著しい制限が出ている状態(区分C程度)でも3級の障害厚生年金を受給できる可能性があります。

4. 【2026年度】がんの転移・再発で受け取れる障害年金の給付額目安

障害年金の支給額は、初診日時点の加入制度(国民年金か厚生年金か)、認定される障害等級、およびご家族構成(配偶者や給付対象のお子様の有無)によって計算されます。

4-1. 障害基礎年金(初診日に国民年金加入)

  • 1級:年額 1,059,125円(月額 約8.8万円)+ 子の加算
  • 2級:年額 847,300円(月額 約7.0万円)+ 子の加算

4-2. 障害厚生年金(初診日に厚生年金加入)

障害厚生年金の場合、障害基礎年金の額に加えて、現役時代の標準報酬月額や加入月数に応じた「報酬比例の年金」が上乗せ支給されます。

  • 1級:障害基礎年金1級 + 報酬比例の額(1.25倍)+ 配偶者加給年金
  • 2級:障害基礎年金2級 + 報酬比例の額 + 配偶者加給年金
  • 3級:報酬比例の額(最低保障額:年額 635,500円)

※障害年金は非課税であるため、所得税や住民税が引かれることなく全額をそのまま療養費や生活費に充てることができます。

5. 転移・再発後に働きながら・休職中でも受給できる?

「抗がん剤治療を受けながら会社に勤務しているが、申請は可能なのか」「休職中だと不利になるのか」というご質問をよくいただきます。

結論として、転移・再発後に働きながら、あるいは休職中であっても障害年金を受け取れる可能性は十分にございます。

5-1. 就労中の判定で重要視される「配慮と実情」

単に「給与を得て働いている」という表面的な結果だけでなく、就労において以下のような特別な配慮や実情があるかどうかが考慮されます。

  • 抗がん剤の投与日や副作用が出る時期に合わせて特別に休暇を取得している
  • 身体的負担を減らすため、短時間勤務やデスクワーク・在宅勤務へ変更してもらっている
  • 職場の同僚や上司の理解と手厚いサポートがあって初めて業務が成り立っている
  • 終業後は激しい疲労と衰弱で倒れ込むように就寝し、家事や日常のことが全くできない

これらの実情を主治医にしっかりと伝え、診断書や「病歴・就労状況等申立書」に正確に反映させることが受給への大きな鍵となります。

6. がんの転移・再発で障害年金を申請する5つの手順

がんの転移・再発における障害年金手続きは、以下の5つのステップで進めます。

1

原発がんの初診日の特定

最初の「原発がん」で初めて医師の診療を受けた病院と日付を確認し、当時の年金加入状況や保険料納付状況を調査します。

2

受診状況等証明書(初診日証明)の取得

原発時の病院と現在の転移・再発治療の病院が異なる場合、原発時の病院で初診日を証明する書類(受診状況等証明書)を取得します。

3

現在の主治医へ診断書作成の依頼

現在治療を受けている主治医に、障害年金専用の診断書を作成してもらいます。

日常の倦怠感や生活の不便さを事前にまとめて伝えます。

4

病歴・就労状況等申立書の作成

原発の発症から治療経過、寛解・経過観察期間、転移・再発の確認、現在の副作用や日常・就労の制限について詳しく書きまとめます。

5

年金事務所へ提出・審査

必要書類を一式揃えて年金事務所に提出します。審査には通常3〜4ヶ月程度かかります。

7. 転移・再発時の申請でよくある注意点と失敗事例

がんの転移・再発案件は、一般的な障害年金申請に比べて書類の整合性や初診日立証の難易度が高くなります。

原発時の病院カルテが廃棄されている

原発がんの治療から10年以上経過している場合、当時のカルテが廃棄され初診日証明が取れないことがあります。
診察券や診察調書、第三者証明などの補強資料を集める必要があります。

診察時に辛さを控えめに伝えてしまう

主治医に対して「何とか頑張れています」と遠慮して伝えてしまうと、診断書のPS(一般状態気用度)が軽めに記載され、不支給となる大きな原因になります。

社会的治癒の判断ミス

「自分は社会的治癒にあたる」と自己判断して申請したものの、経過観察の通院や投薬が途切れていなかったため認められず、書類の再提出や不支給になるケースがあります。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、がん(悪性新生物)の転移・再発をはじめ、複雑な経緯をたどる障害年金申請の専門サポートを行っております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:越谷市・春日部市・草加市・さいたま市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート実績がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:原発がんの初診日立証が難しいケースや「社会的治癒」の主張など、ノウハウを駆使してサポートいたします。
  • 話しやすい女性相談員が在籍:体調の変化やご不安に寄り添い、丁寧にお話をお伺いします。ご本人様の体調が辛い場合は、ご家族様からのご相談も大歓迎です。
  • 安心の料金体系:着手金やご相談料に関するご心配を抑え、安心してご依頼いただけるサポート体制を整えています。

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。

9. よくある質問

Q1. 最初にがんを発症したのが10年以上前でも障害年金は申請できますか?
A. 申請可能です。
ただし、当時のカルテが破棄されている可能性があるため、診察券や健診結果、お薬手帳などの客観的資料を用いて初診日を証明する手続きが必要となります。
Q2. 原発がんと転移・再発したがんの部位が異なる場合、別の病気として申請できますか?
A. 原則として、がんの転移や再発は部位が異なっていても原発がんとの「同一疾病(相当因果関係あり)」と判断されます。
ただし、前述の「社会的治癒」が認められる場合は別病気として扱われることがあります。
Q3. 抗がん剤治療を受けながら時短で働いていますが、受給資格はありますか?
A. はい、ございます。
勤務時間の大幅な短縮や業務内容の配慮、副作用による休業の実態などが書類上でしっかりと証明できれば受給に至るケースは多数ございます。
Q4. 過去に一度回復して5年以上通院していなかった場合、初診日はいつになりますか?
A. 5年以上治療や通院がなく、正常に社会生活を送っていた期間があれば「社会的治癒」が認められ、再発後に改めて病院を受診した日が新たな初診日となる可能性がございます。
Q5. 家族が本人に代わって年金事務所や社労士へ相談に行っても大丈夫ですか?
A. 全く問題ございません。
がんの転移・再発治療中はご本人の体調変動が大きいため、ご家族様(配偶者・ご家族など)からのご相談や手続き代行のご依頼を数多く承っております。
Q6. 人工肛門(ストーマ)を設けた場合、初診日から1年6ヶ月待たずに申請できますか?
A. はい。人工肛門の造設や人工尿路の変更などを行った場合は認定日の特例が適用され、造設・変更を行った日から障害年金の請求が可能となります。
Q7. 障害年金を請求すると会社や勤務先に知られてしまいますか?
A. 日本年金機構から勤務先へ障害年金の請求や受給の事実が直接通知されることはございません。
プライバシーは厳重に守られていますのでご安心ください。

10. まとめ

がんの転移・再発は身体的にも精神的にも大変な負担となりますが、障害年金は治療中の生活やご家族を支える貴重な公的権利です。

  • がんの転移・再発による全身衰弱や治療副作用も障害年金の支給対象となる
  • 初診日は原則として「原発がんの初診日」となるが、社会的治癒が認められるケースもある
  • 働きながらであっても、勤務上の配慮や生活の支障が明確であれば受給できる可能性がある
  • 初診日立証や社会的治癒の判定は複雑なため、早めの専門社労士へのご相談がおすすめ

ご相談について

がんの転移や再発による治療を受けながら、ご自身で過去の初診日証明を集めたり、複雑な申立書を作成したりするのは計り知れない負担となります。

「原発の初診日がいつか分からない」「自分の状況で社会的治癒が使えるか知りたい」など、どんな疑問でもお気軽にご相談ください。

すどう社労士事務所では、ご相談者様の体調や治療スケジュールに配慮し、丁寧かつ迅速にお手続きをサポートいたします。

ご本人の外出が困難な場合は、ご家族からのご相談も歓迎しています。

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TEL:048-788-3717 受付時間:平日 9:00〜19:00(※ LINE・メールは24時間受付)

監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。
うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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