脳出血・くも膜下出血で障害年金を申請するポイント【社労士が解説】

脳出血やくも膜下出血による肢体障害や高次脳機能障害で障害年金を申請する際のポイントを障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が詳しく解説します。

発症から6ヶ月で請求できる特例(症状固定)や初診日の特定、リハビリ中の注意点、診断書や申立書の作成ポイントまで分かりやすくまとめています。

受給要件や等級基準、相談窓口もご紹介いたします。

 

脳血管疾患で障害年金受給の事例はこちら

 

 

【結論】

脳出血やくも膜下出血などの脳血管障害による手足の麻痺や高次脳機能障害は、障害年金の支給対象です。

原則として初診日から1年6ヶ月待つ必要がありますが、症状固定(リハビリを行ってもこれ以上の機能回復が見込めないと医師が判断した場合)と認められれば、初診日から6ヶ月経過以降に申請できる「障害認定日の特例」が適用される場合があります。

正しい診断書の受領と生活実態の丁寧な書面化が、受給に向けた大切なポイントとなります。

この記事が向いている方

  • 脳出血やくも膜下出血を発症し、手足の麻痺や言語障害が残っている方
  • 退院後も記憶障害や集中力低下(高次脳機能障害)があり、復職や生活に支障がある方
  • 発症から6ヶ月が経過し、「症状固定」で障害年金を申請できるか知りたい方
  • リハビリ中や休職中で、今後の生活費や収入面に大きな不安を感じている方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で脳血管障害の障害年金申請が得意な社労士をお探しの方

この記事の目次

  1. 脳出血・くも膜下出血で障害年金はもらえる?
  2. 脳出血・くも膜下出血で受給するための「3つの基本要件」
  3. 脳血管障害の特例!初診日から6ヶ月で申請できる「症状固定」とは
  4. 脳出血・くも膜下出血の障害等級基準(肢体障害・高次脳機能障害)
  5. 【2026年度】脳出血・くも膜下出血で受け取れる障害年金の金額目安
  6. 脳出血・くも膜下出血で障害年金を申請する5つのポイント
  7. 脳出血・くも膜下出血の障害年金申請における具体的な流れ
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 脳出血・くも膜下出血で障害年金はもらえる?

脳出血やくも膜下出血、脳梗塞といった「脳血管障害」の後遺症によって日常の生活や仕事に著しい支障が出ている場合、障害年金を受給することができます。

脳血管障害による後遺症は、手足の片麻痺(運動障害)などの目に見える身体的障害だけでなく、言葉が出にくくなる言語障害、さらには記憶力や判断力が低下する高次脳機能障害など多岐にわたります。

公的年金制度では、これらの障害により生じる生活上の困難さに対して給付が行われます。

1-1. 脳血管障害で対象となる主な後遺症

障害年金の対象となる脳出血・くも膜下出血の後遺症には、主に以下のような症状が挙げられます。

  • 肢体障害(運動麻痺・感覚障害):片麻痺、四肢麻痺、体幹の麻痺、関節の拘縮など
  • 言語障害・嚥下障害:失語症、構音障害、飲み込みの障害など
  • 高次脳機能障害:記憶障害、注意障害、遂行機能障害、感情コントロールの障害など
  • 視野障害:半盲(視野の半分が見えなくなる症状)など

※複数の後遺症が併発している場合(例:右片麻痺と失語症と高次脳機能障害など)、それぞれの障害を組み合わせた「併合判定」が行われ、より上位の等級に認定される可能性もあります。

2. 脳出血・くも膜下出血で受給するための「3つの基本要件」

脳出血やくも膜下出血で障害年金を受けるためには、傷病名にかかわらず公的年金制度が定める3つの基本要件を満たす必要があります。

要件①:初診日要件

脳出血やくも膜下出血の症状で、初めて医師の診療を受けた日(初診日)に公的年金(国民年金または厚生年金)に加入している必要があります。

要件②:保険料納付要件

初診日の前日時点で、初診日がある月の前々月までの加入期間のうち、3分の2以上が保険料納付または免除されていることが必要です(直近1年間に未納がない特例もあります)。

要件③:障害認定日要件

原則として初診日から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)、または症状が固定した日において、一定の障害等級に該当している必要があります。

3. 脳血管障害の特例!初診日から6ヶ月で申請できる「症状固定」とは

障害年金は通常、初診日から「1年6ヶ月」が経過した日(障害認定日)にならないと請求できません。しかし、脳出血やくも膜下出血などの脳血管障害には、特例措置が認められています。

3-1. 6ヶ月経過後の「症状固定」による特例請求

脳血管障害の場合、初診日から6ヶ月以上が経過した日以降に、リハビリテーションを行っても医学的にそれ以上の機能回復が見込めないと判断された場合(=症状固定)、1年6ヶ月を待たずにその時点で障害年金を請求することができます。

特例が認められる一般的な要件

・初診日から6ヶ月以上経過していること
・医学的リハビリテーションが終了している、または効果が期待できないと判断されていること
・主治医が診断書に「症状固定」である旨およびその日付を明記していること

この特例を活用することで、1年6ヶ月の到達を待たずに早期に受給を開始できる大きなメリットがあります。

ただし、主治医が「まだリハビリによる改善が見込める」と判断している場合は、特例が認められず初診日から1年6ヶ月経過を待つことになります。

4. 脳出血・くも膜下出血の障害等級基準(肢体障害・高次脳機能障害)

脳血管障害による審査では、障害の種類(肢体障害か高次脳機能障害かなど)に応じた認定基準に基づいて、1級〜3級の等級が判定されます。

障害等級 肢体障害(麻痺等)の目安 高次脳機能障害の目安 対象となる年金
1級 他人の介助がなければ身の回りのことがほとんどできない状態(寝たきり、両手足の著しい麻痺など) 日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの(常時介護や全面的な援助が必要) 障害基礎年金
障害厚生年金
2級 日常生活に著しい制限を受ける状態(片手片足がほとんど使えない、歩行に著しい支障がある等) 日常生活が著しい制限を受けるか、または日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度 障害基礎年金
障害厚生年金
3級 労働が著しい制限を受ける状態(片手の機能障害や著しい歩行障害などで就労に影響がある等) 労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする程度 障害厚生年金のみ

※初診日に国民年金に加入していた場合は1級または2級のみが対象です。

厚生年金に加入していた場合は3級および障害手当金(一時金)の対象にもなる可能性があります。

5. 【2026年度】脳出血・くも膜下出血で受け取れる障害年金の金額目安

障害年金で受け取れる年金額は、初診日に加入していた年金制度(国民年金か厚生年金か)、障害等級、およびご家族の状況(配偶者や子)によって決定されます。

5-1. 障害基礎年金(初診日に国民年金加入)

  • 1級:年額 1,059,125円(月額 約8.8万円)+ 子の加算
  • 2級:年額 847,300円(月額 約7.0万円)+ 子の加算

※子の加算額:第1子・第2子 各年額234,800円、第3子以降 各年額78,300円

5-2. 障害厚生年金(初診日に厚生年金加入)

障害厚生年金は、障害基礎年金に加えて現役時代の報酬額や加入期間に応じた「報酬比例の年金」が上乗せされます。

  • 1級:障害基礎年金1級 + 報酬比例の額(1.25倍)+ 配偶者加給年金(年額234,800円)
  • 2級:障害基礎年金2級 + 報酬比例の額 + 配偶者加給年金(年額234,800円)
  • 3級:報酬比例の額(最低保障額:年額 635,500円)

※障害年金は全額非課税のため、所得税や住民税はかかりません。

6. 脳出血・くも膜下出血で障害年金を申請する5つのポイント

脳血管障害の障害年金申請では、一般的な病気とは異なる独自の注意点があります。

申請でつまずかないための5つの重要ポイントを解説します。

① 初診日の病院を正しく特定する

突然倒れて救急搬送された病院、または頭痛やめまいで最初に受診したクリニックが「初診日」となります。

転院が多い場合でも最初の医療機関での証明が必要です。

② 診断書の種類(様式)を誤らない

麻痺などの身体障害は「肢体の障害用(様式第120号の3)」、高次脳機能障害は「精神の障害用(様式第120号の4)」など、症状に応じた適切な診断書形式を選択する必要があります。

③ 日常生活動作(ADL)の不自由さを伝える

診察室での一瞬の動作だけでなく、「片手でボタンが留められない」「一人で靴下が履けない」といった自宅での具体的な不自由さを医師に伝えて診断書に反映してもらうことが重要です。

④ 高次脳機能障害の見えにくい症状を客観化

記憶障害や怒りやすさ、集中力の欠如などは外見で分かりづらいため、ご家族からの具体的な観察情報や日常生活状況をしっかり書類に盛り込む必要があります。

⑤ 申立書と診断書の整合性を保つ

「病歴・就労状況等申立書」に記載する発症時の様子、リハビリ経過、現在の支障が、医師作成の診断書の内容と食い違わないよう正確に整合させることが大切です。

7. 脳出血・くも膜下出血の障害年金申請における具体的な流れ

手続きは焦らず順を追って進めることがポイントです。
以下に全体の手順をまとめました。

1

初診日の確認と年金加入・納付要件の確認

搬送先や最初に受診した医療機関を確認し、年金事務所で当時の年金加入状況と保険料納付要件を満たしているか確認します。

2

受診状況等証明書(初診日証明)の取得

初診時の病院と現在の病院が異なる場合、初診病院で「受診状況等証明書」を発行してもらいます。

3

主治医へ障害年金用診断書の作成依頼

障害認定日(6ヶ月特例または1年6ヶ月経過日)以降の病状について、主治医に適切な様式の診断書作成を依頼します。

4

病歴・就労状況等申立書の作成

発症前から現在までの経過、リハビリの状況、日常生活や仕事での支障をご本人やご家族が詳しく作成します。

5

年金事務所への提出・審査

すべての提出書類を揃えて年金事務所に提出します。
提出後、約3ヶ月〜4ヶ月程度で決定通知が届きます。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、脳出血・くも膜下出血・脳梗塞による障害年金申請を中心に、埼玉県全域で豊富なサポートを行っております。

すどう社労士事務所の強み

  • 脳血管障害・高次脳機能障害に強い実績:6ヶ月特例(症状固定)の判断や複数診断書の併合申請など、複雑な脳血管障害の案件経験が豊富です。
  • 埼玉県全域対応の地域密着体制:越谷市・さいたま市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域からのご相談に対応しています(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超え:熟練の知見に基づき、初診日特定から診断書チェック、申立書作成まで一貫してサポートします。
  • ご家族様からのご相談にも親身に対応:ご本人が入院中・リハビリ中の場合でも、ご家族様との連携でスムーズに手続きを進めます。
    女性相談員も在籍しております。

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。

サポート料金の詳細はサポート料金ページをご参照ください。

9. よくある質問

Q1. 脳出血の発症から6ヶ月経ちましたが、リハビリ病院に入院中でも申請できますか?
A. 入院中であっても、主治医が「症状固定(これ以上の機能回復が見込めない)」と判断し、診断書に明記していただければ6ヶ月特例で申請可能です。
ただし、活発にリハビリを継続しており改善見込みがある段階では、1年6ヶ月の到達を待つよう案内される場合があります。
Q2. 片麻痺と高次脳機能障害の両方がある場合、診断書は2枚必要ですか?
A. はい、原則として麻痺(身体)用の診断書と、高次脳機能障害(精神・神経)用の診断書の2枚を作成して申請することが望ましいです。
複数の障害を併合して審査することで、より正確な等級認定につながる可能性が高まります。
Q3. 身体障害者手帳を持っていなくても障害年金は受給できますか?
A. 受給可能です。身体障害者手帳(自治体制度)と障害年金(国の公的年金制度)は全く異なる基準で審査されます。
手帳の有無や等級にかかわらず、障害年金の支給要件を満たしていれば申請・受給できます。
Q4. 脳出血で休職中に健康保険から傷病手当金をもらっていますが、障害年金も同時にもらえますか?
A. 同一の病気やケガで傷病手当金と障害厚生年金を同時に受給する場合、支給額の調整(併給調整)が行われます。
障害厚生年金の額が傷病手当金より少ない場合は差額が支給され、障害厚生年金の方が多い場合は傷病手当金が全額停止となります。
Q5. 倒れたときの救急搬送先と現在の病院が異なりますが、初診日はどちらになりますか?
A. 症状(倒れた、頭痛等)で最初に救急搬送され医師の診察を受けた救急病院が「初診日」となります。
現在の転院先リハビリ病院ではなく、最初の病院で受診状況等証明書を取得する必要があります。
Q6. 本人が麻痺や言語障害でうまく話せないため、家族が代理で相談・手続きすることはできますか?
A. もちろん可能です。脳血管障害ではご家族様からのご相談や手続き代行のご依頼が非常に多くございます。
委任状等を用意いただくことで、社労士が代理で手続きを進めることができます。
Q7. 障害年金を受給すると会社や周囲に知られてしまいますか?
A. 日本年金機構から勤務先や周囲へ障害年金の受給事実が通知されることは原則ありません。
プライバシーは厳重に保護されていますのでご安心ください。

10. まとめ

脳出血やくも膜下出血による後遺症(肢体障害・高次脳機能障害)は、障害年金の重要な対象傷病です。

  • 手足の麻痺だけでなく、高次脳機能障害や言語障害も支給対象となる
  • 症状固定と認められれば、初診日から6ヶ月経過で請求できる「特例」がある
  • 身体用・精神用など、後遺症に応じた適切な診断書形式の選択が必須
  • ご自宅での日常動作の困難さや見えにくい障害症状を正確に書面化することが成功の鍵

ご相談について

脳出血やくも膜下出血を発症された直後は、ご本人もご家族もリハビリや今後の生活、復職への不安で非常に大きなストレスを抱えられています。
そのような状態の中で、複雑な年金申請手続きをご自身だけで進めるのは大変な負担となります。

すどう社労士事務所では、ご本人様はもちろん、**ご家族様からのご相談も歓迎**しております。「6ヶ月特例が使える状態か」「どの診断書が必要か」など、どんな小さな疑問でも構いません。
まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。
うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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