双極性障害の障害年金は遡及請求できる?【社労士が解説】

双極性障害(躁うつ病)で障害年金の申請が遅れてしまった場合でも、過去に遡って年金を受け取れる「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」ができる可能性があります。

本記事では、双極性障害で遡及請求を行うための要件や最大5年分の遡及受給のポイント、必要な診断書の集め方について障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』がわかりやすく解説します。

 

双極性障害で障害年金受給した事例はこちら

 

【結論】

双極性障害(躁うつ病)において、過去に遡って障害年金を請求する「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」は可能です。

障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過した日)の時点で障害等級に該当する症状があり、それを証明する診断書を取得できれば、過去に遡って年金を受け取れる可能性があります。
ただし、法律上の時効により、受け取れる過去分は「最大5年分まで」となります。

この記事が向いている方

  • 双極性障害と診断されてから何年も経っており、障害年金を遡って請求したい方
  • 障害年金という制度を最近知り、昔の分もまとめて受け取れるか知りたい方
  • 障害認定日(1年6ヶ月時点)の症状が重く、当時から働けなかった方
  • 昔通っていた病院にカルテが残っているか不安な方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で遡及請求の実績が豊富な社労士を探している方

この記事の目次

  1. 双極性障害で障害年金の遡及請求はできる?
  2. 障害年金の「遡及請求(障害認定日請求)」とはどんな制度?
  3. 双極性障害で遡及請求が認められるための3つの条件
  4. 遡及請求で受け取れる年金は「最大5年分」まで
  5. 双極性障害の遡及請求で立ちはだかる3つの壁
  6. 障害認定日当時の診断書が取れない・カルテがない場合の対処法
  7. 事後重症請求と遡及請求の選択・組み合わせ方
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 双極性障害で障害年金の遡及請求はできる?

「何年も前から双極性障害で苦しんでいたのに、障害年金という制度を知らなかった」「体調が悪すぎて申請どころではなかった」という方は少なくありません。

結論から申し上げますと、過去に遡って障害年金を請求する「遡及請求(過去分請求)」は、双極性障害でも十分可能です。

制度を知らなかった期間の年金を後からまとめて受給できるチャンスがありますので、諦める必要はありません。

ただし、過去の障害状態を客観的な書類(診断書)で証明する必要があるため、通常の申請(事後重症請求)よりも手続きの難易度が高くなる傾向があります。

2. 障害年金の「遡及請求(障害認定日請求)」とはどんな制度?

障害年金の請求方法は、大きく分けて「事後重症請求(じごじゅうしょうせいきゅう)」と「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」の2種類があります。

事後重症請求(一般的な請求)

申請した月の翌月分から年金が支給される方法です。

過去の年金は支給されず、これからの将来分のみを受け取ります。

遡及請求(過去分を遡って請求)

「障害認定日(初診日から1年6ヶ月経過した日)」に遡って年金権利を認めさせ、過去の未支給分を一括(または分割)で受け取る方法です。

遡及請求が認められれば、過去の年金が一括で振り込まれた上で、今後の年金も継続して支給されるため、受給者にとって非常に大きな経済的支えとなります。

3. 双極性障害で遡及請求が認められるための3つの条件

双極性障害で遡及請求を成功させるためには、次の3つの条件をすべて満たす必要があります。

  • 初診日が特定でき、年金保険料の納付要件を満たしていること:双極性障害の症状で初めて医療機関を受診した日が証明できることが前提です。
  • 障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)時点で障害等級に該当していたこと:当時の病状が、障害年金の1級〜3級の基準に該当している必要があります。
  • 障害認定日「前後3ヶ月以内」の診断書が取得できること:障害認定日の当時の症状を証明するため、その時期のカルテに基づいた診断書が必要です。

特に重要なのは、現在だけでなく「障害認定日当時」も障害等級に該当する重い症状であったことを書類で証明できるかどうかです。

4. 遡及請求で受け取れる年金は「最大5年分」まで

「10年前から症状が重かったので、10年分遡って受給したい」と思われる方もいらっしゃいますが、公的年金の受給権には法律(会計法および年金機能強化法等)により「5年の消滅時効」が定められています。

そのため、たとえ10年前から障害等級に該当していたと認められた場合でも、実際に支給されるのは申請(請求)した時点から遡って「過去5年分」までとなります。
(5年を超える古い期間の受給権は時効により消滅します。)

4-1. 5年分遡及できた場合の受給額イメージ

年金の種類・等級 おおよその年額目安 5年遡及した場合の支給目安
障害基礎年金2級 年額 約85万円 約 425 万円 一括支給(+子の加算)
障害厚生年金2級 年額 約120万円〜180万円
(報酬比例による)
約 600 万円 〜 900 万円 一括支給
障害厚生年金3級 年額 約64万円(最低保障) 約 320 万円 一括支給

※上記は一例です。実際の受給額はご本人の加入履歴や標準報酬月額、家族構成等により異なります。なお、障害年金は非課税のため、遡って受給した一括金に所得税などはかかりません。

5. 双極性障害の遡及請求で立ちはだかる3つの壁

双極性障害で遡及請求を進める際、多くの方が以下の3つの問題(壁)に直面します。

壁①:カルテの5年保存期間による破棄

医師法で定められたカルテの保存期間は5年です。

障害認定日が5年以上前の場合、当時の病院にカルテが残っておらず、診断書が書けないケースがあります。

壁②:障害認定日当時に受診していない

双極性障害の症状の波や体調不良、または通院の中断により、障害認定日の前後3ヶ月間に病院を受診していなかった場合、当時の診断書が作成できません。

壁③:躁状態による病状の誤解

障害認定日当時にたまたま「躁状態」で活動的だった場合、カルテに「軽快」「順調」などと記載されており、診断書上で重症度が伝わらないことがあります。

6. 障害認定日当時の診断書が取れない・カルテがない場合の対処法

遡及請求に必要な「障害認定日当時の診断書」が取得できない場合でも、すぐに諦める必要はありません。状況に応じて以下のような対応を検討します。

6-1. カルテが破棄されている場合

病院にカルテがなくても、サマリー(診療要約)やPC内の電子データのバックアップ、お薬手帳の記録などが残っていれば、医師がそれをもとに診断書を作成してくれる可能性があります。
あきらめずに医療機関へ相談することが大切です。

6-2. 当時の診断書がどうしても取れない場合

客観的な資料が乏しく障害認定日時点の証明が不可能な場合は、遡及請求を断念し、現在の症状をもとに申請する「事後重症請求」へ切り替える判断も必要です。
過去分はもらえませんが、今以降の年金を確実に受け取るための現実的な選択肢となります。

7. 事後重症請求と遡及請求の選択・組み合わせ方

遡及請求を行う際は、原則として「障害認定日時点の診断書」と「現在の診断書」の合計2枚を同時に年金事務所へ提出します。

万が一、審査で「障害認定日時点の遡及は認められない(不支給)」と判定された場合でも、現在の症状が基準を満たしていれば「事後重症(今からの支給)」のみが認められる仕組みになっています。

つまり、可能性があるのであれば「遡及請求+事後重症請求」をセットで同時に申請するのが、受給のチャンスを逃さない最も安全な進め方です。

8. 申請が遅れるほど「時効」で過去分が消えていく注意点

先述の通り、障害年金の遡及受給は「請求した月から過去5年分」です。

請求手続きが1ヶ月遅れるごとに、過去に受け取れたはずの1ヶ月分の年金が時効によって永久に消滅してしまいます。
遡及請求を検討されている場合は、一日でも早く手続きを進めることが何よりの重要ポイントです。

9. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、双極性障害をはじめとする精神疾患で、遡及請求や初診日特定が難航しているケースを専門にサポートしております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:越谷市・さいたま市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート経験がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:カルテ破棄や転院が絡む複雑な遡及請求案件でも、積み重ねたノウハウで粘り強く書類作成をサポートいたします。
  • 話しやすい女性相談員が在籍:体調や不安に寄り添い、丁寧かつ親身にお話をお伺いします。
  • ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大歓迎です。
  • 納得のサポート料金:着手金や相談料に関するご心配を減らし、安心してご依頼いただける体系を整えています。サポート料金はこちら。

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事務所のサポートブランド「ミモザ」の由来についてはこちらをご覧ください。

10. よくある質問(FAQ)

Q1. 遡及請求で過去分が認められた場合、年金はどのように支払われますか?
A. 決定後、指定した金融機関口座へ過去5年分(または該当期間分)の年金が一括で振り込まれます。
その後は通常の年金と同様に2ヶ月に1回定期支給されます。
Q2. 当時「うつ病」と診断され、最近「双極性障害」に変わりましたが遡及請求できますか?
A. 可能です。うつ病と双極性障害には相当因果関係が認められるため、同一傷病として扱われます。障害認定日当時の「うつ病」の診断書で申請を行います。
Q3. 障害認定日当時に少しだけ働いていた期間がある場合、遡及請求は無理ですか?
A. 必ずしも無理とは言えません。
短時間勤務であったり、職場で手厚い配慮を受けていた、あるいは無理をして働いた結果すぐに休職した等の実態があれば、受給が認められる可能性はあります。
Q4. 遡及請求の審査期間はどれくらいかかりますか?
A. 通常の申請(事後重症)よりも提出書類が多く、過去の病状審査も行われるため、提出から結果が出るまで約3ヶ月〜5ヶ月程度かかることが一般的です。
Q5. 遡及請求が不支給になったら、もう今後は障害年金をもらえませんか?
A. いいえ。「過去の遡及分は認められないが、現在の事後重症分は認める」という判定になるケースも多いです。
また、条件を整えて再申請することも可能です。

11. まとめ

双極性障害における障害年金の遡及請求(過去分請求)の要点をまとめます。

  • 双極性障害でも、障害認定日時点の病状を証明できれば過去分の遡及請求が可能
  • 法律上の時効により、遡って受け取れるのは「最大5年分まで」
  • 障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)前後の診断書取得が必須
  • 手続きが1ヶ月遅れるごとに、過去1ヶ月分の受給権が時効で消えていくため早めの着手が肝心
  • カルテ破棄や過去の就労歴がある場合は、専門家である社労士への相談がおすすめ

ご相談について

過去に遡って障害年金を請求する「遡及請求」は、受け取れる可能性のある金額が大きい反面、昔の診断書の手配や初診日証明、病歴申立書の整合性など、専門的なノウハウが最も求められる申請方法です。

双極性障害の波と闘いながら、何年も前の医療機関と交渉したり書類を揃えたりするのは大きな負担となります。
「自分は昔の分ももらえるのだろうか」「当時の病院にカルテがあるか分からない」など、どんな小さな疑問でも構いません。

すどう社労士事務所では、個別のご状況に合わせた進め方を丁寧にご提案しております。
ご家族からのご相談も歓迎しておりますので、時効で受給権が消えてしまう前に、お気軽にお問い合わせください。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。
うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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