うつ病から双極性障害へ変更時の初診日【社労士が解説】

うつ病で通院していた方が、後に「双極性障害(躁うつ病)」と診断が変わるケースは多く見られます。

この場合、障害年金の申請における「初診日」はいつになるのでしょうか。

本記事では、うつ病から双極性障害へ診断名が変更された場合の初診日の考え方や、障害年金申請時の注意点について、障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が解説します。

 

双極性障害で障害年金受給した事例はこちら

 

【結論】

うつ病から双極性障害(躁うつ病)に診断名が変わった場合、原則として「最初にうつ病の症状で医師の診療を受けた日」が障害年金における初診日となります。

双極性障害は、発症の初期段階でうつ病と診断されることが医学的にも多く、同一の疾病(相当因果関係がある)とみなされるためです。

最初の病院での初診日を正しく特定し証明することが、受給に向けた最大の鍵となります。

この記事が向いている方

  • 当初は「うつ病」と診断され、数年後に「双極性障害」に変わった方
  • 転院を繰り返す中で診断名が変わり、初診日がいつか分からず困っている方
  • 診断名が変わったことで、障害年金の申請ができるのか不安な方
  • 昔のカルテが破棄されており、初診日の証明(受診状況等証明書)が取れず悩んでいる方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で障害年金専門の社労士を探している方

この記事の目次

  1. うつ病から双極性障害に診断が変わることは多い?
  2. 障害年金における「初診日」の重要性
  3. 診断名が変わった場合の初診日はいつになる?
  4. 初診日が特定できないとどうなる?
  5. 初診日を証明する「受診状況等証明書」とは
  6. 転院先で診断が変わった場合の書類作成の流れ
  7. カルテがない場合の初診日の証明方法(客観的証拠)
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. うつ病から双極性障害に診断が変わることは多い?

双極性障害(躁うつ病)は、発症の初期段階において「うつ状態」から始まることが多く、最初は「うつ病」と診断されるケースが非常に一般的です。

治療を進める中で、数ヶ月〜数年経過してから気分が高揚する「躁状態」が現れ、そこで初めて双極性障害に診断名が変更されることがよくあります。

そのため、「途中で診断名が変わってしまったから障害年金がもらえないのではないか」と焦る必要は全くありません。

精神疾患の治療過程において診断名が推移することは珍しくなく、年金機構の審査においても、その経緯がしっかりと書類に反映されていれば問題なく審査が進められます。

2. 障害年金における「初診日」の重要性

障害年金を受給するための第一関門であり、最も重要な要件が「初診日の特定」です。

初診日が確定しないと、以下の重要な確認ができないため、申請手続き自体に進むことができません。

加入していた年金制度の特定

初診日に「国民年金」と「厚生年金」のどちらに加入していたかによって、受給できる年金の種類(障害基礎年金か障害厚生年金か)が決定されます。

保険料納付要件の確認

初診日の前日において、一定以上の年金保険料を納めていたか(または免除されていたか)を判定する基準日となります。

障害認定日の決定

原則として初診日から1年6ヶ月経過した日を「障害認定日」と呼び、この日以降の症状をもとに障害の程度が審査されます。

3. 診断名が変わった場合の初診日はいつになる?

うつ病から双極性障害に診断名が変わった場合、原則として「最初にうつ病の症状で精神科や心療内科を受診した日」が初診日となります。

障害年金の制度では、前の病気と後の病気に「相当因果関係(前の病気がなければ後の病気も起こらなかったという関係性)」が認められる場合、これらを同一の傷病として扱います。

うつ病と双極性障害は、医学的にも連続した状態・関連の深い疾患とみなされるため、別々の病気として新たに初診日を設けるのではなく、一番初めにメンタルヘルスの不調で受診した日が「双極性障害の初診日」として引き継がれます。

3-1. 内科などを最初に受診した場合

「最初は胃の痛みや不眠、頭痛で内科を受診し、その後精神科を勧められてうつ病と診断された」というケースもあります。

このような場合でも、内科を受診した時点で精神疾患に起因する症状(不眠や食欲不振など)を訴えていたことがカルテ等で確認できれば、その内科の初診日が障害年金の初診日として認められる可能性が高いです。

4. 初診日が特定できないとどうなる?

初診日を特定し、その日を証明する公的な書類を提出できなければ、どれほど症状が重く生活に支障が出ていても、原則として障害年金は不支給となってしまいます。

カルテの保存期間の壁

病院のカルテ(診療録)の法定保存期間は「最終受診日から5年」です。

10年以上前にうつ病で受診した病院のカルテがすでに破棄されているケースは非常に多く、初診日の証明において最大の壁となります。

廃院や担当医の退職

当時通っていたクリニックが廃院して連絡が取れなくなっていたり、担当していた医師が退職して当時の詳しい状況が確認できない場合も、証明の難易度が大きく上がります。

自分で証拠を集める必要性

病院にカルテがない場合は、「カルテがないから仕方ない」で済まされず、ご自身で初診日を客観的に裏付ける証拠(参考資料)をかき集め、年金機構を納得させる必要があります。

5. 初診日を証明する「受診状況等証明書」とは

「受診状況等証明書」は、障害年金における初診日を証明するための専用の診断書です。

現在の主治医と、初診時の病院が異なる場合にのみ、初診時の医療機関に作成を依頼します。
(※最初から現在まで同じ病院に通い続けている場合は、現在の診断書に初診日が記載されるため不要です。)

診断名がうつ病から双極性障害に変わっていても、最初に受診した医療機関にカルテが残っていれば、当時の診断名(うつ病や抑うつ状態など)で作成してもらって問題ありません。
審査側で相当因果関係を判断してくれます。

6. 転院先で診断が変わった場合の書類作成の流れ

例えば、「Aクリニック(うつ病)」→「B病院(うつ病)」→「C病院(双極性障害・現在通院中)」というように転院している場合の書類準備の流れを解説します。

1

Aクリニックへ受診状況等証明書を依頼

一番初めに受診したAクリニックに連絡し、カルテが残っているか確認の上「受診状況等証明書」の作成を依頼します。(当時の診断名は「うつ病」で記載されます。)

2

C病院へ診断書を依頼

現在の主治医であるC病院に、障害年金用の「診断書」の作成を依頼します。
このときの傷病名は現在の「双極性障害」となります。

3

病歴・就労状況等申立書の作成

ご自身で作成する申立書には、Aクリニックでうつ病と診断された経緯から、C病院で双極性障害に変わるまでの症状の推移や生活の困難さを、時系列で矛盾なく記載します。

7. カルテがない場合の初診日の証明方法(客観的証拠)

最初の病院にカルテが残っていない場合は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を作成し、初診日を裏付ける客観的な証拠を添付する必要があります。
2番目の病院に紹介状などの記録が残っていれば有力な証拠となりますが、それもない場合は以下のような資料を複数組み合わせて証明を試みます。

証拠の強さ 客観的証拠(参考資料)の例 ポイント
高い ・身体障害者手帳などの申請時診断書(コピー)
・生命保険の給付時の診断書
・2番目の病院にある紹介状(診療情報提供書)
公的機関や保険会社に提出された医療記録は、非常に信憑性が高いと判断されます。
中程度 ・初診日や診療科が記載された診察券
・初診時の領収書やレシート
・お薬手帳(当時の処方内容が分かるもの)
病院名や日付だけでなく、「精神科の受診であったこと」が分かるかが重要です。
補助的 ・当時の健康診断の記録
・日記、家計簿、手帳の記録
・第三者(家族以外)からの証明書
これら単独では初診日とは認められにくいため、複数の資料を積み重ねる必要があります。

※証拠が何一つない場合でも、社労士が介入することで医療機関との交渉や過去の記録の洗い出しを行い、初診日が認められるケースがございます。
自己判断で諦めず、まずはご相談ください。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、うつ病から双極性障害へ診断が変更となった複雑なケースや、初診日の特定が困難な案件を専門にサポートしております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:越谷市・さいたま市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート経験がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:積み重ねたノウハウで、初診日証明が取れないカルテ破棄の案件にも粘り強く対応いたします。
  • 話しやすい女性相談員が在籍:気分の波や不安に寄り添い、丁寧かつ親身にお話をお伺いします。
  • ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大歓迎です。
  • 納得のサポート料金:着手金や相談料に関するご心配を減らし、安心してご依頼いただける体系を整えています。サポート料金はこちら。

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事務所のサポートブランド「ミモザ」の由来についてはこちらをご覧ください。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 内科で「うつ状態」と言われ、その後精神科で「双極性障害」と診断されました。初診日は内科ですか?
A. はい、不眠や食欲不振、抑うつ症状などで最初に内科を受診し、その後精神科へ転院した場合、最初の内科を受診した日が初診日となる可能性が高いです。
Q2. うつ病で受診していた期間から10年以上通院していない空白期間があります。初診日はいつになりますか?
A. 症状が完全に消失し、通院も服薬も必要なく一般就労できていた期間(社会的治癒)があると認められれば、再発後に受診した日が新たな初診日となるケースもあります。
空白期間の生活状況によるため、個別にご相談ください。
Q3. 初診日が特定できず、障害年金の申請を諦めるしかありませんか?
A. カルテがないケースでも、第三者証明や複数の状況証拠を積み重ねることで初診日が認められるケースは多数あります。
諦めずに専門家にご相談ください。
Q4. 最初の病院が廃院して連絡が取れません。どうすればいいですか?
A. 廃院している場合、次に受診した病院(2番目の病院)で「受診状況等証明書」を取得し、最初の病院の受診歴(紹介状の記録など)がカルテに残っていないか確認します。
併せて診察券などの客観的証拠を探します。
Q5. 診断名が変わったことで、審査に不利になりますか?
A. うつ病から双極性障害への診断変更は臨床上非常によくあるため、診断名が変わったこと自体が審査で不利になることはありません。
初診日の証明と、現在の症状の重さが適切に書類に反映されているかが重要です。

10. まとめ

うつ病から双極性障害に診断変更された際の初診日について、要点を整理します。

  • うつ病から双極性障害へ診断が変わった場合、最初の「うつ病」で受診した日が初診日となる
  • うつ病と双極性障害には相当因果関係が認められるため、同一傷病として扱われる
  • 初診日を特定できないと障害年金は受給できないため、最初の病院での証明が必須となる
  • カルテが破棄されている場合は、診察券や紹介状などの客観的な証拠を集める必要がある
  • 診断名が変わるような長期療養ケースは複雑になりやすいため、早めの専門家相談がポイント

ご相談について

うつ病から双極性障害へ診断が変わるような長期にわたる療養の中で、初診日の証明や複雑な障害年金の申請手続きをご自身で進めるのは、想像以上の負担となります。
特にカルテが破棄されている場合の証拠集めや、年金事務所とのやり取りには専門的なノウハウが必要です。

「自分の場合はどこが初診日になるのだろう」「昔の病院がなくなっていて困っている」など、状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。
ご家族からのご相談も歓迎しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。
うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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