大人になって発達障害と診断!初診日の考え方【社労士が解説】

大人になってから発達障害(ADHDやASD等)と診断された場合、障害年金の申請で重要となる「初診日」はいつになるのでしょうか?

生まれつきなのか?初めて病院を受診した日なのか?

障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』がわかりやすく解説します。

 

大人の発達障害での受給事例はこちら

 

 

【結論】

大人になってから発達障害(自閉スペクトラム症・ADHDなど)と診断された場合、障害年金における「初診日」は生まれつきの生年月日ではありません。

「発達障害の症状や、それに伴う生活上の生きづらさ・体調不良で初めて医師の診療を受けた日」となります。

また、発達障害の診断を受ける前に「うつ病」や「適応障害」などでメンタルクリニックを受診していた場合は、「そのうつ病等で初めて受診した日」が初診日として扱われます。

初診日にどの年金(国民年金か厚生年金か)に加入していたかで受け取れる年金の種類や金額が大きく変わるため、正しい初診日の特定が障害年金受給の鍵となります。

この記事が向いている方

  • 大人になってから発達障害(ASDやADHDなど)と診断され、障害年金の申請を検討している方
  • 過去にうつ病や適応障害と診断されていたが、最近になって発達障害が判明した方
  • 「発達障害は生まれつきだから初診日は20歳前になるのか」疑問に思っている方
  • 昔受診した病院のカルテが廃棄されていて、初診日の証明ができず困っている方
  • 働きながら発達障害で障害年金を受給できるのか知りたい方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で障害年金専門の社労士を探している方

この記事の目次

  1. 大人になって発達障害と診断された場合の「初診日」とは?
  2. 大人の発達障害における初診日の基本的な考え方
  3. うつ病・適応障害など「二次障害」で受診していた場合の初診日
  4. 初診日の加入制度で決まる障害年金の種類と支給額
  5. 大人の発達障害で初診日証明(受診状況等証明書)がつまずきやすい理由
  6. 初診病院のカルテがない場合に活用できる代替書類
  7. 働きながらでも発達障害で障害年金は受け取れる?
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. ご相談について
  12. 無料相談のご予約方法
  13. 監修者

1. 大人になって発達障害と診断された場合の「初診日」とは?

社会人になって働き始めてから、あるいは結婚や転職などの生活環境の変化をきっかけに、「仕事上のミスが続く」「コミュニケーションがうまくいかない」といった困難を感じ、大人になってから発達障害(ASD:自閉スペクトラム症、ADHD:注意欠如多動症など)と診断される方が増えています。

障害年金の申請において、最も重要なキーポイントとなるのが「初診日」です。

初診日とは、障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日のことを指します。

障害年金では、この初診日を基準として以下の重要事項が判断されます。

  • 初診日にどの年金制度(国民年金・厚生年金など)に加入していたか(もらえる年金の種類や金額が決定)
  • 初診日の前日時点で保険料を納めていたか(保険料納付要件の確認)
  • いつの時点の障害状態を見るか(初診日から1年6ヶ月後が障害認定日となる)

しかし、発達障害は生まれつきの脳機能の特性であるため、「生まれつきなら初診日はいつになるのか?」「昔受診したメンタルクリニックの日が初診日になるのか?」と疑問を持たれる方が非常に多くいらっしゃいます。

2. 大人の発達障害における初診日の基本的な考え方

発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD、学習障害など)は先天的な脳機能の特性ですが、障害年金の実務上では「知的障害(精神遅滞)を伴うかどうか」によって初診日の考え方が大きく異なります。

2-1. 知的障害を伴わない発達障害(大人の発達障害に多いケース)

知的障害(IQの低下)を伴わない発達障害の場合、公的年金の取り扱いでは「その発達障害に伴う症状(生きづらさ、対人関係の支障、二次障害の症状など)で、初めて医療機関を受診した日」が初診日となります。

生まれつきの特性であっても、出生日や子供時代が自動的に初診日になるわけではありません。

大人になってから初めて精神科や心療内科を受診した場合は、その受診日が初診日となります。

2-2. 知的障害を伴う場合との違い

一方で、知的障害(精神遅滞)を伴う発達障害の場合は、出生日が初診日として扱われます(20歳前障害扱い)。
両者の初診日の違いを整理すると以下のようになります。

区分 初診日の取り扱い 加入する年金の種類
知的障害を伴わない発達障害
(アスペルガー症候群・ADHDなど)
発達障害やその症状で初めて医師の診療を受けた日 初診日に加入していた制度
(会社員なら厚生年金等)
知的障害を伴う発達障害
(知的障害+ASDなど)
原則として出生日(生まれた日)扱い 障害基礎年金(20歳前障害)
※1級または2級のみ

大人になってから「自分が発達障害かもしれない」と気づいて病院を受診された方の多くは、知的障害を伴わないケース(または軽度)であるため、「初めて精神科・心療内科を受診した日」が初診日となるのが一般的です。

3. うつ病・適応障害など「二次障害」で受診していた場合の初診日

大人になって発達障害と診断される方の多くは、最初から「発達障害」と診断されているわけではありません。
むしろ、職場の人間関係や業務の不適応から、先に「うつ病」「適応障害」「不眠症」「自律神経失調症」などを発症してメンタルクリニックを受診しているケースが主流です。

3-1. 発達障害とうつ病(二次障害)の相当因果関係

発達障害の生きづらさが原因となって発症したうつ病や適応障害などは、医学的・年金手続き上「二次障害」と呼ばれます。

障害年金の制度では、発達障害と二次障害(うつ病や適応障害など)は「同一の傷病(相当因果関係あり)」として一連のものとして扱われます。

3-2. 初診日は「最初のうつ病等で受診した日」になる

したがって、以下のような経歴をたどった場合、初診日は「発達障害」と確定診断された日ではなく、「最初のうつ病(または適応障害等)で受診した日」になります。

例

【具体例】経緯と初診日の判定

・2020年4月:仕事のストレスで眠れなくなり、Aメンタルクリニックに受診(診断名:適応障害)
・2022年8月:症状が改善せず、B精神科へ転院(診断名:うつ病)
・2025年1月:知能検査(WAIS等)を受け、C大学病院で発達障害(ADHD)と確定診断

⇒ この場合の初診日は、2020年4月にAメンタルクリニックを初めて受診した日となります。

確定診断を受けた日を初診日だと誤解してしまうと、前医(Aクリニック)の受診履歴を見落とし、申請書類の不備や不支給の原因となってしまうため注意が必要です。

4. 初診日の加入制度で決まる障害年金の種類と支給額

初診日がどの日に判定されるかによって、受け取れる障害年金の種類(障害基礎年金か、障害厚生年金か)と、受け取れる金額が決定します。

4-1. 初診日に厚生年金に加入していた場合(会社員・公務員など)

初診日の時点で会社員や公務員であり、厚生年金に加入していた場合は「障害厚生年金」の対象となります。

  • 1級〜3級まで対象範囲が広い(症状が比較的軽い3級でも受給可能)
  • 障害基礎年金に加えて、現役時代の給与に応じた「報酬比例部分」が上乗せされる
  • 配偶者がいる場合は「配偶者加給年金」が加算される場合がある

4-2. 初診日に国民年金に加入していた場合(自営業・フリーランス・無職・主婦・学生など)

初診日の時点で国民年金に加入していた(または20歳未満だった)場合は「障害基礎年金」の対象となります。

  • 対象等級は1級または2級のみ(3級には該当しない)
  • 定額の年金が支給される(高校修了前の子がいる場合は「子の加算」あり)

4-3. 【2026年度】発達障害で受け取れる障害年金の金額目安

2026年度(令和8年度)の制度に基づく障害年金の年額・月額の目安は以下の通りです。

障害等級 障害基礎年金(初診日:国民年金) 障害厚生年金(初診日:厚生年金)
1級 年額 約105.9万円(月額 約8.8万円)
+ 子の加算
障害基礎年金1級 + 報酬比例の額(1.25倍)
+ 配偶者加給年金
2級 年額 約84.7万円(月額 約7.0万円)
+ 子の加算
障害基礎年金2級 + 報酬比例の額
+ 配偶者加給年金
3級 なし(支給対象外) 報酬比例の額
(※最低保障額:年額 約63.5万円 / 月額 約5.3万円)

※障害年金で支給される年金は原則として完全非課税です。

税金や所得税が引かれることなく生活費等に活用できます。

5. 大人の発達障害で初診日証明(受診状況等証明書)がつまずきやすい理由

大人の発達障害で障害年金を申請する際、最も多くの方が壁にぶつかるのが「初診日の証明(受診状況等証明書の取得)」です。

理由①:カルテの保存期間(5年)が過ぎて廃棄されている

発達障害とわかるまでに5年〜10年以上かかっているケースが多く、最初に受診したメンタルクリニックのカルテが保存期限経過により廃棄されていることがあります。

理由②:病院の廃院や医師の引退

昔通っていたクリニックや診療所がすでに閉院していたり、担当医師が引退していて連絡がつかないケースも珍しくありません。

理由③:初診時のカルテに「発達障害」の記載がない

初診時は「自律神経失調症」や「不眠症」と記載されており、当時の主治医が精神疾患としてのカルテを残していないケースがあります。

6. 初診病院のカルテがない場合に活用できる代替書類

「最初の病院でカルテが廃棄されていたら、もう障害年金は諦めるしかないのか?」というと、決してそうではありません。

初診病院で「受診状況等証明書」が発行できない場合でも、代わりに「受診状況等証明書が添付できない理由書」を提出し、以下のような客観的な証拠を組み合わせることで、初診日を認めさせられる可能性があります。

  • 診察券や予約カード:当時の病院名や日付が記載されているもの
  • お薬手帳・調剤調剤明細書:処方された時期や医療機関名が確認できるもの
  • 領収書や医療費控除の確定申告書類:受診時期を裏付ける資料
  • 当時の紹介状(診療情報提供書)の控え:転院先の病院に過去の紹介状が保管されている場合
  • 障害者手帳の申請時の診断書控え:行政機関に提出された過去の記録
  • 勤務先の健康診断結果や傷病手当金の申請控え:体調不良で休職した時期等の証明
  • 第三者証明:当時の受診を知る家族・友人・同僚による証明書(※一定の要件あり)

カルテがない場合でも諦めず、どのような代替資料が集められるかを障害年金の専門家(社労士)とともに検証していくことが非常に大切です。

7. 働きながらでも発達障害で障害年金は受け取れる?

「働いて給料をもらっていると、発達障害では障害年金は絶対にもらえないのではないか」とお問合せをよくいただきますが、結論から申し上げますと、働きながらであっても受給できる可能性は十分にあります。

障害年金の審査では、単に「働いているかどうか」という表面的な事実だけで一概に判断されるわけではなく、**「どのような環境・配慮のもとで働けているか」**が重視されます。

  • 障害者雇用枠で採用され、業務負担の軽減や指示の工夫など手厚い配慮を受けている
  • 就労継続支援(A型・B型)や福祉的就労を利用している
  • 一般企業勤務だが、同僚や上司の深い理解・サポートにより欠勤や急な早退が許されている
  • 仕事中は緊張と集中でなんとか立っているが、帰宅後は疲弊しきって家事や身の回りのことが一切できない

こうした職場での配慮や日常生活での支障の実態を、医師の「診断書」やご自身で作成する「病歴・就労状況等申立書」に正確かつ具体的に反映させることが受給への大きなポイントとなります。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、大人になってから判明した発達障害(ASD・ADHDなど)をはじめ、うつ病や双極性障害など精神疾患全般の障害年金申請を専門にサポートしております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着・アクセス抜群:埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川越市周辺)を中心に対応。JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩3分でアクセス良好です。
  • 年間相談件数250件超の実績:積み重ねたノウハウにより、「初診日のカルテがない」「転院が多くて履歴が分からない」といった困難な案件でも多数の受給実績がございます。
  • 安心の女性相談員が在籍:「いきなり堅苦しい相談をするのは不安」という方でも安心してお話ししていただけるよう、親身にお話をお伺いします。
  • わかりやすい料金体系:安心してご相談いただけるよう、明確なサポート料金をご提示しております。
    (料金詳細はサポート料金ページをご覧ください)

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。
事務所の想いやシンボルである「ミモザ」の由来についてはミモザの由来ページにて紹介しております。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 子供の頃に発達障害の傾向を指摘されましたが病院には行きませんでした。初診日はいつになりますか?
A. 幼少期に学校や家族から傾向を指摘されていたとしても、実際に医師の診察を受けていない場合は初診日とはなりません。
大人になってから初めて精神科・心療内科を受診した日が初診日となります。
Q2. 最初はうつ病と診断され、10年後に発達障害と診断されました。初診日はどちらになりますか?
A. 発達障害とうつ病は相当因果関係があると判定されるため、発達障害の確定診断を受けた日ではなく、最初にうつ病で受診した「10年前の受診日」が初診日となります。
Q3. 初診日の病院が廃院して閉まっています。どうすればいいですか?
A. 廃院により受診状況等証明書が取れない場合でも、2番目に受診した病院のカルテ記載や、当時の診察券、お薬手帳、第三者証明などの資料を集めることで初診日を立証できるケースがあります。
諦めずにご相談ください。
Q4. 発達障害で障害年金を申請する場合、知能検査(WAISなど)の受検は必須ですか?
A. 必ずしも必須ではありませんが、知能検査(WAIS-IVなど)の結果(IQや得意・不得意の偏り)があると、障害の程度を客観的に示す強力な資料となります。
主治医と相談して検討するのが望ましいです。
Q5. 会社に内緒で発達障害の障害年金を申請・受給できますか?
A. 原則として可能です。
日本年金機構から勤務先へ障害年金の申請や受給の事実が通知されることはありません。
ただし、年末調整や住民税の手続き等でご自身で管理する注意点はございます。
Q6. 障害者手帳を持っていなくても、発達障害で障害年金を申請できますか?
A. はい、申請可能です。
精神障害者保健福祉手帳と障害年金は全く別の制度・基準で審査されます。
手帳を持っていなくても年金の受給要件を満たしていれば申請できます。
Q7. 過去に遡って障害年金をまとめてもらう(遡及請求)ことはできますか?
A. 初診日から1年6ヶ月経過した「障害認定日」時点での診断書が作成できるなど要件を満たしていれば、時効にかからない直近5年分を遡って一括受給できる可能性があります。

10. まとめ

大人になってから発達障害と診断された場合の障害年金申請では、「初診日の考え方」を正しく理解することが第一歩となります。

  • 知的障害を伴わない大人の発達障害の初診日は、生まれつきではなく「初めて医師の診療を受けた日」
  • 発達障害より前にうつ病や適応障害(二次障害)で受診していた場合、その最初の受診日が初診日になる
  • 初診日に厚生年金に加入していれば障害厚生年金(1〜3級)、国民年金なら障害基礎年金(1〜2級)が対象
  • カルテが廃棄されていても、診察券やお薬手帳などの代替資料で初診日を証明できる場合がある
  • 働きながらであっても、職場での配慮や生活上の困難さの実態があれば受給できる可能性がある

ご相談について

大人になってから発達障害とわかり、これまでの生きづらさの理由が解明された一方で、「これからの仕事や生活費をどう支えていけばいいのか」という不安を抱える方は多くいらっしゃいます。

発達障害の障害年金申請は、初診日の証明や病歴・就労状況等申立書の作成など、専門的な知識とノウハウが不可欠です。

体調や精神的なご負担が大きい時期に、ご自身だけで手続きを進めるのは大変な労力がかかります。

すどう社労士事務所では、お一人おひとりの経緯を丁寧にお伺いし、最適な受給への道筋をご提案いたします。

ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大歓迎しております。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。

うつ病・発達障害・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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