統合失調症で遡及請求は可能?【社労士が解説】

統合失調症で過去に遡って障害年金を受け取る「遡及請求」は可能です。
しかし、初診日の証明や認定日当時の診断書など、通常の申請よりも実際のハードルが高くなります。
本記事では、統合失調症における遡及請求の条件や受給額の目安、よくある失敗例について、障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が詳しく解説します。

 

統合失調症が原因で障害年金受給事例はこちら

 

 

【結論】

統合失調症であっても、過去に遡って障害年金を受け取る「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」は十分に可能です。

「ずっと前から統合失調症で苦しんでいたのに、障害年金の制度を知らなかった」という方でも、一定の条件を満たし、当時の障害状態を適切に証明できれば、最大5年分の年金を一括で受け取れる可能性があります。

この記事が向いている方

  • 統合失調症を長く患っているが、最近になって障害年金の制度を知った方
  • 過去の分もまとめて障害年金を受け取れる「遡及請求」の条件を知りたい方
  • 「初診日」が数年前・十数年前であり、カルテが残っているか不安な方
  • 過去に通っていた病院が廃院になってしまい、書類が揃うか心配な方
  • 申請手続きが複雑そうで、何から手をつければいいか分からない方
  • 埼玉県(さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市周辺)で障害年金専門の社労士を探している方

この記事の目次

  1. 統合失調症で障害年金の遡及請求は可能?
  2. 遡及請求が認められるための「3つの絶対条件」
  3. 統合失調症における遡及請求の受給額(目安)
  4. 最大の壁となる「初診日の証明」
  5. 認定日当時の「診断書」に関する注意点
  6. 統合失調症で遡及請求を行う5つのステップ
  7. 遡及請求で失敗しやすい3つの落とし穴
  8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 統合失調症で障害年金の遡及請求は可能?

統合失調症などの精神疾患において、障害年金の「遡及請求(そきゅうせいきゅう)」を行うことは可能です。

遡及請求とは、本来であれば障害年金を受け取れる状態であったにもかかわらず、制度を知らなかった等の理由で請求が遅れてしまった場合に、過去に遡って年金を請求する手続きのことを指します。

日本の年金制度には「5年の時効」が定められているため、どんなに昔から障害状態に該当していたとしても、受け取れるのは最大で「過去5年分」までとなります。
それでも、まとまった一時金として受け取ることができるため、今後の療養生活における大きな経済的支柱となります。

2. 遡及請求が認められるための「3つの絶対条件」

統合失調症で遡及請求を行うためには、通常の障害年金申請と同様の基本要件に加え、過去の状況を証明するための高いハードルをクリアする必要があります。

① 初診日が特定・証明できること

統合失調症の症状で初めて医師の診療を受けた日(初診日)を明確にし、「受診状況等証明書」という書類で客観的に証明できることが大前提となります。

② 保険料の納付要件を満たしていること

初診日の前日において、一定期間以上の国民年金や厚生年金の保険料を納付しているか、あるいは免除手続きを適正に行っている必要があります。

③ 障害認定日当時の診断書があること

初診日から1年6ヶ月を経過した日(障害認定日)から3ヶ月以内の期間に受診しており、その当時の状態を記した「診断書」を医師に書いてもらえることが必須です。

3. 統合失調症における遡及請求の受給額(目安)

遡及請求が認められた場合、「過去の分の一括支給」と「これからの定期支給」の両方を受け取ることができます。
統合失調症の障害等級や加入していた年金の種類により、金額は大きく異なります。

障害等級 受給できる年金の種類 5年分遡及した場合の概算(※加算なしの場合)
1級 障害基礎年金 または
障害厚生年金
約 529万円 +(厚生年金の場合は報酬比例部分)
2級 障害基礎年金 または
障害厚生年金
約 423万円 +(厚生年金の場合は報酬比例部分)
3級 障害厚生年金のみ 約 317万円(※最低保障額で計算した場合)

※上記は2026年度(令和8年度)の基準に基づく大まかな概算です。
配偶者や子がいる場合はさらに加算がつきます。
また、過去の年度の年金額は異なるため、実際の支給額は個別の状況によって変動します。

4. 最大の壁となる「初診日の証明」

統合失調症の遡及請求において、多くの方が最初につまずくのが「初診日の証明」です。
発症から長い年月が経過しているケースが多く、以下のような問題が発生しやすくなります。

4-1. カルテの保存期間(5年)の壁

医療機関におけるカルテの法定保存期間は5年です。
10年前、20年前の初診の場合、すでにカルテが破棄されていて「受診状況等証明書」を書いてもらえない事態が頻発します。

4-2. 病院の統廃合や廃院

精神科や心療内科のクリニックは移り変わりも多く、当時通っていた病院がすでに閉院しているケースも珍しくありません。
このような場合は、当時の診察券、お薬手帳、領収書、あるいは第三者による証明書(第三者証明)など、様々な間接的証拠をかき集めて初診日を特定していくという専門的なアプローチが必要になります。

5. 認定日当時の「診断書」に関する注意点

遡及請求を成功させるためのもう一つの大きな壁が、「障害認定日(初診日から1年6ヶ月後)当時の診断書」を取得できるかどうかです。

  • 認定日当時に受診していない場合:認定日から3ヶ月以内の期間に病院を受診していなかった場合、医師は当時の診断書を書くことができず、原則として遡及請求は不可能です。
  • 医師が異動・退職している場合:カルテが残っていれば、現在の担当医が当時のカルテを元に診断書を作成してくれる可能性があります。
  • 当時の症状が軽く書かれている場合:長期間の通院で医師との関係性が変わっている場合、昔のカルテには「日常生活の困難さ」が十分に記載されておらず、障害等級に該当しないと判断されてしまうリスクがあります。

もし認定日当時の診断書が取得できない場合は、遡及請求は諦め、現在の症状のみで申請する「事後重症請求」へと切り替える判断が必要になります。

6. 統合失調症で遡及請求を行う5つのステップ

実際に遡及請求を進める手順は、一般的な申請と基本は同じですが、準備する書類が通常より多くなります。

1

初診日の特定と証明書の取得

初めて受診した病院で「受診状況等証明書」を取得します。
カルテがない場合は代替資料を探します。

2

2種類の診断書の作成依頼

遡及請求では、「障害認定日当時の診断書」と「現在(直近3ヶ月以内)の診断書」の合計2枚を医師に作成してもらう必要があります。

3

病歴・就労状況等申立書の作成

発症から現在に至るまでの長期間にわたる生活状況や、就労の困難さを詳細な文章にまとめます。

4

書類の整合性チェック

2枚の診断書の内容と、ご自身で作成した申立書の内容に矛盾がないか、入念に確認します。

5

年金事務所へ提出・審査

一式を提出し審査を待ちます。
遡及請求は過去と現在の2つの時点を審査するため、通常より審査期間が長引く(4ヶ月〜半年程度)傾向があります。

7. 遡及請求で失敗しやすい3つの落とし穴

遡及請求は過去の事実を証明するという性質上、以下のような失敗に陥りやすい点に注意が必要です。

初診日を誤って申告する

「統合失調症と診断された日」を初診日と思い込み手続きを進めると、後から「実はその前に不眠で別の内科を受診していた」ことが発覚し、手続きが全てやり直しになるリスクがあります。

診断書と申立書の矛盾

認定日当時の診断書には「家事も身の回りのこともできている」と書かれているのに、申立書では「寝たきりだった」と書いてしまうと、信憑性が疑われ不支給の原因となります。

途中で諦めてしまう

病院に「カルテがない」と言われた時点で「もう無理だ」と自己判断し、受給権を放棄してしまう方が後を絶ちません。代替手段を探る専門的な知識が必要です。

8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、統合失調症における複雑な遡及請求を含め、精神疾患の障害年金申請を専門的にサポートしております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:さいたま市・越谷市・春日部市・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート経験がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:積み重ねたノウハウで、初診日の証明が難しい案件や、カルテが破棄されている難解なケースにも粘り強く対応いたします。
  • 話しやすい女性相談員が在籍:体調や不安に寄り添い、丁寧かつ親身にお話をお伺いします。
    ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大歓迎です。
  • 納得のサポート料金:着手金や相談料に関するご心配を減らし、安心してご依頼いただける体系を整えています。

すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。

事務所のロゴマークであるミモザの由来についてもぜひご覧ください。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 10年前から統合失調症です。10年分遡って年金をもらうことはできますか?
A. いいえ、受け取れるのは最大で「過去5年分」までです。
年金の請求権には5年の時効があるため、それ以前の期間については消滅してしまいます。だからこそ早めの手続きが重要です。
Q2. 障害認定日当時に病院に通っていませんでした。遡及請求は可能ですか?
A. 原則として困難です。
認定日(初診日から1年6ヶ月後)から3ヶ月以内の期間の受診記録がないと、当時の状態を証明する診断書を医師が書けないためです。
この場合は、現在時点での「事後重症請求」を検討します。
Q3. 昔通っていた病院がすでに廃院になっています。どうすればいいですか?
A. 病院が廃院でも、当時の診察券、お薬手帳、精神障害者保健福祉手帳の診断書の控え、ご家族や第三者の証言(第三者証明)などを組み合わせて初診日を証明できる可能性があります。
自己判断で諦めずご相談ください。
Q4. 遡及請求と、現在からの請求(事後重症請求)は同時に行えますか?
A. はい、基本的には同時に手続きを行います。万が一、過去の分(遡及)が認められなかった場合でも、現在の状態が認められれば、将来に向かって年金を受け取ることができます。
Q5. 遡及請求を社労士に依頼すると、どのようなメリットがありますか?
A. 古いカルテの開示請求や、代替手段による初診日証明など、専門知識がないと非常に時間と手間がかかる作業をすべて代行できます。
体調が優れない中での心理的・肉体的負担を大幅に軽減し、適正な受給へとつながりやすくなります。

10. まとめ

統合失調症で長く苦しんでこられた方にとって、最大5年分の年金が受け取れる遡及請求は、生活再建のための非常に重要な手続きです。

  • 統合失調症でも条件を満たせば最大5年分の遡及請求が可能
  • 「初診日の特定」と「認定日当時の診断書」が最大の難関となる
  • カルテ破棄や廃院でも、代替の証明手段が見つかる可能性はある
  • 過去と現在、2枚の診断書の整合性を保つことが審査通過のポイント
  • 手続きが非常に複雑なため、無理をせず障害年金専門の社労士へ相談を

ご相談について

統合失調症の遡及請求は、初診日の証明や過去の診断書の取得など、通常の申請以上に高いハードルが存在します。
「数年前のことでよく覚えていない」「病院が廃院になっていた」といった状況で、複雑な手続きをご自身だけで進めるのは、想像以上の負担となります。

状況に応じた具体的な進め方や、受給の可能性については、無料相談で個別にご案内しています。
ご家族からのご相談も歓迎しておりますので、どんな小さな不安でも、まずはお気軽にお声がけください。

無料相談のご予約方法

すどう社労士事務所

お電話・LINE・メールよりご相談ください。

TEL:048-788-3717 受付時間:平日 9:00〜19:00(※ LINE・メールは24時間受付)

監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、さいたま市・越谷・春日部・草加市・川口市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

まずはお気軽に無料相談をご利用ください

ご希望の条件やお悩みに合わせた具体的な進め方をサポートいたします。

投稿者プロフィール

sudo
sudo
ご相談のご予約
048-788-3717

平日 9:00 - 19:00(土日祝日は要相談)
LINE・メールは24時間受付