うつ病で障害年金はもらえる?受給条件と注意点【社労士が解説】
うつ病などの精神疾患で働けない、生活費が足りない、今後の生活が不安、という方へ。
うつ病が原因での障害年金受給は可能です。
この記事では、障害年金の専門家である『すどう社労士事務所の須藤智(すどうさとし)が、うつ病が原因で障害年金をもらうための3つの条件、認定される等級の目安、働きながら受給できるケースや申請手続きの注意点について分かりやすく解説します。
うつ病や適応障害、双極性障害などの精神疾患は、障害年金の対象となります。
「身体の障害でなければ受給できない」「手帳がないと申請できない」と誤解されがちですが、一定の症状要件と納付要件を満たしていれば給付の対象になります。適切な準備と書類作成を行うことが、経済的な安心への大きな第一歩となります。
この記事が向いている方
- うつ病で仕事に行けず、今後の生活費に強い不安を感じている方
- 休職期間が長引き、傷病手当金の受給期間が終わりそうな方
- 「働きながらではうつ病で年金はもらえない」と聞いたことがある方
- 初診日の病院が閉院しており、手続きを諦めかけている方
- 埼玉県(越谷市・春日部市・草加市・さいたま市東部周辺)で専門の社労士を探している方
- ご家族がうつ病で苦しんでおり、代わりに手続きを進めたい方
1. うつ病などの精神疾患で障害年金はもらえる?
「障害年金は車椅子の方や、目・耳が不自由な方のための制度」と思われている方が多くいらっしゃいますが、実はうつ病などの精神疾患も明確な支給対象となっています。
公的年金制度では、病気やケガによって日常の生活や仕事に著しい制限が生じている場合、年齢に関わらず生活の安定を図るための年金が支給されます。精神疾患は外見からつらさが分かりづらい側面がありますが、制度上はしっかりと対象傷病として認められています。
1-1. 障害年金の対象となる主な精神疾患
うつ病以外にも、以下のような精神疾患が対象となります。
- うつ病・気分障害(双極性障害など)
- 統合失調症
- 発達障害(自閉スペクトラム症・ADHDなど)
- 知的障害
- 高次脳機能障害
※適応障害などの「神経症」は原則として対象外とされていますが、病状が重く「臨床症状から判断して精神病の病態を示している」と医師に診断された場合は、支給対象となる可能性があります。
2. うつ病で障害年金を受給するための「3つの基本要件」
うつ病で障害年金を受給するためには、公的年金制度が定める以下の3つの条件(要件)をすべて満たす必要があります。
要件①:初診日要件
うつ病の症状で、初めて医師の診療を受けた日(初診日)に、国民年金または厚生年金に加入していることが条件です。内科や心療内科など、科を問わず「最初に受診した日」が重要になります。
要件②:保険料納付要件
初診日の前日時点で、一定以上の年金保険料を納めている(または免除手続きをしている)必要があります。未納が多いと、他の条件を満たしていても対象外となる場合があります。
要件③:障害認定日要件
原則として、初診日から1年6ヶ月経過した日(障害認定日)において、法令で定められた障害等級(1級〜3級)に該当する状態である必要があります。
3. うつ病の障害等級(1級〜3級)の基準
うつ病の障害年金審査では、「日常の生活でどれほど支障が出ているか」「仕事においてどのような制限があるか」が判定の軸となります。
| 障害等級 | 状態の目安(精神疾患の場合) | 対象となる年金 |
|---|---|---|
| 1級 | 他人の援助を受けなければ日常生活がほとんどできない状態(常時の援助が必要) | 障害基礎年金 障害厚生年金 |
| 2級 | 日常生活に著しい制限を受け、一人での生活が著しく困難な状態(自立が難しい) | 障害基礎年金 障害厚生年金 |
| 3級 | 労働が著しい制限を受けるか、または労働に著しい制限を加えることを必要とする状態 | 障害厚生年金のみ |
※初診日に「国民年金」へ加入していた場合(自営業や無職など)は1級または2級のみが対象となります。会社員などで「厚生年金」へ加入していた場合は、3級でも障害厚生年金を受給できる可能性があります。
4. 【2026年度】うつ病で受け取れる障害年金の金額目安
障害年金の給付額は、初診日に加入していた年金の種類(国民年金か厚生年金か)、認定された障害等級、およびご家族の有無によって異なります。
4-1. 障害基礎年金(初診日に国民年金加入)
- 1級:年額 1,059,125円(月額 約8.8万円)+ 子の加算
- 2級:年額 847,300円(月額 約7.0万円)+ 子の加算
4-2. 障害厚生年金(初診日に厚生年金加入)
障害厚生年金の場合、障害基礎年金に加えて、お勤め時代の標準報酬月額や加入期間に応じた「報酬比例の年金」が上乗せして支給されます。
- 1級:障害基礎年金1級 + 報酬比例の額(1.25倍)+ 配偶者加給年金
- 2級:障害基礎年金2級 + 報酬比例の額 + 配偶者加給年金
- 3級:報酬比例の額(最低保障額:年額 635,500円)
※うつ病などの精神疾患による障害年金は原則として非課税であるため、税金が引かれずにそのまま生活費にあてることができます。
5. 働きながら・休職中でもうつ病で障害年金は受け取れる?
「働いていると障害年金の審査には絶対に落ちる」と思われている方が多いですが、一概にそうとは言い切れません。
5-1. 働いていても受給判定に配慮されるケース
うつ病を抱えながら勤務している場合でも、以下のような「労働環境の配慮」や「実情」が申立書等で明確になっていれば、受給が認められる可能性は十分にあります。
- 障害者雇用枠で採用され、業務量の軽減や手厚いサポートを受けている
- 同僚や上司の理解・配慮により、急な欠勤や早退が認められている
- 家族のサポートがあって初めて出勤できている
- 勤務後は疲弊しきってしまい、家事や日常の身の回りのことが全くできない
単に「給与を得て働いている」という表面的な事実だけで判断されるのではなく、就労においてどれほどの制限や配慮があるかを客観的に証明することが大切です。
6. うつ病の障害年金申請を進める5つの手順
手続きは大きく分けて5つの手順で進めます。精神的な負担が大きい時期ですので、ご家族や専門家のサポートを受けながら、無理のないスケジュールで進めましょう。
初診日の確認・特定
うつ病や不眠などの症状で一番初めに受診した病院を特定し、日付を確認します。精神科でなくても、心療内科や内科の場合もあります。
受診状況等証明書の取得
一番初めに受診した医療機関にて「初診日」を証明するための証明書(受診状況等証明書)を発行してもらいます。
診断書の作成依頼(主治医へ)
現在の主治医に障害年金用の診断書作成を依頼します。日常の困難さをご自身で整理し、メモなどにして事前に伝えることが重要です。
病歴・就労状況等申立書の作成
発症から現在までの病状や、日常生活・就労における困難さを、ご本人が書面(申立書)にまとめます。審査において非常に重要な書類です。
年金事務所へ提出・審査
すべての必要書類を揃えて年金事務所(または市区町村窓口)へ提出し、結果を待ちます。通常、結果が出るまでに約3〜4ヶ月かかります。
7. 申請で失敗しないための重要な注意点
うつ病などの精神疾患は、血液検査や画像検査のような数値化されたデータがありません。そのため、書面審査において提出書類の整合性が何より重視されます。
診察時に実態を伝え切れていない
「医師の前では無理して元気に振る舞ってしまう」「身だしなみを整えていくため元気に見られる」ことで、実際の生活の辛さが診断書に反映されないケースが多々あります。
初診日証明が取れない
転院を繰り返していたり、5年以上前の初診病院のカルテが廃棄されていたりすると、初診日の証明で非常につまずきやすくなります。
診断書と申立書の内容の矛盾
主治医が書いた診断書と、ご本人が書いた病歴申立書の内容に食い違い(矛盾)があると、実態が正しく伝わらず、不支給や等級低下の原因となります。
8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
すどう社会保険労務士事務所では、うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害などの精神疾患をはじめ、幅広い傷病での障害年金申請を専門にサポートしております。
すどう社労士事務所の強み
- 地域密着型の専門体制:越谷市・春日部市・草加市・さいたま市東部を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート経験がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
- 年間相談件数250件超えの実績:積み重ねたノウハウで、初診日特定が難しいケースや就労中の複雑な案件にも対応いたします。
- 話しやすい女性相談員が在籍:体調や不安に寄り添い、丁寧かつ親身にお話をお伺いします。ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も大歓迎です。
- 納得のサポート料金:着手金や相談料に関するご心配を減らし、安心してご依頼いただける体系を整えています。
すどう社労士事務所の受給事例は こちらをご覧ください。
事務所のロゴである「ミモザ」に込めた想いと由来についてはこちらでご紹介しております。
9. よくある質問
Q1. うつ病などの精神疾患で障害年金を申請したら、会社や家族に知られますか?
Q2. 傷病手当金と障害年金は両方もらえますか?
Q3. 初診日の病院が昔すぎてカルテがない場合はどうすればいいですか?
Q4. 精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても障害年金は申請できますか?
Q5. 家族が代理で相談や手続きをすることはできますか?
Q6. 自分で申請するのと社労士に頼むのとでは何が違いますか?
10. まとめ
うつ病などの精神疾患は目に見えにくい障害ですが、生活や就労に大きな困難を抱えている場合、障害年金は再出発のための大切なセーフティネットとなります。
- うつ病・適応障害・統合失調症なども障害年金の対象となる
- 初診日要件・保険料納付要件・障害認定日要件の3要件を満たすことが必須
- 働きながらであっても、勤務環境の配慮や実態次第で受給の可能性がある
- 書類の不備や伝わり不足を防ぐため、早めに専門家へ相談することが重要
ご相談について
傷病手当金の受給期間が終わりに近づくと、「次の収入をどう確保するか」という大きな不安に直面します。特にうつ病で休職中・療養中の心身の状態で、初診日を調べたり、主治医へ伝える内容を整理したりと、複雑な障害年金の申請手続きをご自身で進めるのは、想像以上の負担となります。
「自分の症状で受給できる可能性があるのか」「まず何から始めればいいのか」など、状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。ご家族からのご相談も歓迎しておりますので、どうぞお一人で抱え込まずにお声がけください。
監修者
障害年金専門社労士として、越谷・春日部草加市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。
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