知的障害の障害年金|初診日は生まれた日?【社労士が解説】

知的障害(精神遅滞)で障害年金を申請する場合、初診日は原則として「生まれた日」になります。
そのため年金保険料の納付要件が問われない特例があります。
本記事では、20歳前傷病による障害年金の仕組み、発達障害との違い、療育手帳の有無、働きながら受給できる可能性など、専門社労士である『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が分かりやすく解説します。

【結論】

知的障害(精神遅滞)で障害年金を申請する場合、初診日は原則として「生まれた日」として扱われます。

初診日が生まれた日になるため、年金保険料の納付要件は問われません。20歳になった時点(またはその後の申請時)での知能指数や日常生活の困難さによって審査され、障害基礎年金(1級または2級)の対象となります。

この記事が向いている方

  • ご家族(お子様など)が知的障害を持ち、将来の生活費に不安を感じている方
  • 20歳が近づき、障害年金の申請準備を始めようと考えている方
  • 「初診日がいつになるのか」「保険料を払っていないが平気か」疑問に思っている方
  • 療育手帳(愛の手帳)を持っていなくても年金がもらえるのか知りたい方
  • 埼玉県(越谷市・春日部市・草加市周辺)で専門家によるサポートを探している方

この記事の目次

  1. 知的障害の初診日は原則「生まれた日」になる
  2. 知的障害で障害年金を受給するための3つの要件
  3. 知的障害の障害認定日は「20歳の誕生日前日」
  4. 発達障害(自閉症・ADHD等)との初診日の違いに注意
  5. 知的障害の障害年金でもらえる金額(2026年度目安)
  6. 療育手帳(愛の手帳)がなくても申請できる?
  7. 働きながらでも知的障害の障害年金はもらえる?
  8. 20歳前申請のスケジュールと手続きの流れ
  9. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
  10. よくある質問(FAQ)

1. 知的障害の初診日は原則「生まれた日」になる

障害年金の制度において、知的障害(精神遅滞)は先天性の障害として扱われます。そのため、初めて病院で知的障害と診断された日がいつであっても、初診日は「生まれた日(出生日)」として取り扱われるのが最大の原則です。

通常の病気やケガの場合、障害年金を申請する際には「初めて病院を受診した日」をカルテ等の客観的な記録(受診状況等証明書)で証明しなければなりません。しかし、知的障害の場合は初診日が出生日とみなされるため、初診日の証明書を取る必要が原則としてありません。

2. 知的障害で障害年金を受給するための3つの要件

障害年金を受給するためには、通常「初診日要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」の3つを満たす必要があります。知的障害の場合は、初診日が生まれた日になることで、要件の考え方が以下のように変わります。

① 初診日要件

前述の通り、「生まれた日」が初診日となります。国民年金に加入する20歳よりも前に初診日があるため、「20歳前傷病の障害基礎年金」という制度の対象になります。

② 保険料納付要件

初診日(生まれた日)の時点で20歳未満であり、年金制度に加入する義務がない年齢です。そのため、保険料の納付実績は一切問われません。未納期間を気にする必要はありません。

③ 障害状態要件

20歳に達した日、またはその後に、法令で定められた障害等級(1級または2級)に該当する程度の知的障害や日常生活の制限があることが求められます。

3. 知的障害の障害認定日は「20歳の誕生日前日」

障害年金を請求できるようになる日を「障害認定日」と呼びます。
通常の病気であれば「初診日から1年6ヶ月経過した日」ですが、知的障害の場合は初診日(生まれた日)から1年6ヶ月経ってもまだ0〜1歳であり、年金を請求できる年齢ではありません。

そのため、知的障害の障害認定日は「20歳の誕生日の前日」となります(日本の法律上、年齢は誕生日の前日に加算されるためです)。つまり、20歳になるタイミングで初めて障害年金の審査を受け、受給を開始できることになります。

4. 発達障害(自閉症・ADHD等)との初診日の違いに注意

知的障害の申請で最も注意しなければならないのが、「発達障害(自閉スペクトラム症やADHDなど)」との違いです。

発達障害も生まれつきの脳の機能障害とされていますが、障害年金制度上においては、発達障害の初診日は「発達障害の症状で初めて病院を受診した日」となります。つまり、「生まれた日」にはなりません。

  • 知的障害のみ:初診日は「生まれた日」
  • 発達障害のみ:初診日は「実際に初めて受診した日」
  • 両方が併発している場合:原則として知的障害の症状がメインと判断されれば「生まれた日」として扱われますが、ケースによって判断が分かれることがあります。

発達障害として申請する場合、初診日が20歳以降であれば保険料の納付要件が問われますし、初診日の証明書(受診状況等証明書)も必要になります。この判断は複雑になることが多いため、専門家への相談が安心です。

5. 知的障害の障害年金でもらえる金額(2026年度目安)

知的障害は初診日が20歳前(生まれた日)となるため、加入している年金制度は「国民年金」扱いとなり、受給できるのは「障害基礎年金(1級・2級のみ)」となります。3級はありません。

障害等級 状態の目安(知的障害の場合) もらえる年金額の目安
1級 食事や着替えなど身の回りのことに常時援助が必要。
意思疎通が非常に困難な状態。
年額 1,059,125円
(月額 約8.8万円)
2級 日常生活の多くで援助が必要。
複雑な意思疎通や金銭管理が困難な状態。
年額 847,300円
(月額 約7.0万円)

※障害基礎年金には、条件を満たすお子様がいる場合に「子の加算」がつきます。
【注意】所得制限について
20歳前傷病の障害年金には、保険料を払わずに受給できる特例であることから「所得制限」が設けられています。ご本人(両親の所得ではありません)の前年の所得が一定額(単身で約472万円等)を超えると、年金額の半分または全額が支給停止となる場合があります。

6. 療育手帳(愛の手帳)がなくても申請できる?

ご相談の中で「療育手帳を持っていないと障害年金はもらえませんか?」と聞かれることが多くあります。結論から申し上げますと、療育手帳を持っていなくても障害年金の申請・受給は可能です。

療育手帳は各自治体が行っている福祉サービスの一環であり、障害年金は国(日本年金機構)が行っている年金制度です。基準や審査機関が異なるため、「手帳が重度だから年金も1級確定」「手帳がないから年金はもらえない」というわけではありません。

障害年金の審査では、知能指数(IQ)の数値だけでなく、「食事、清潔保持、金銭管理、対人関係など、日常生活においてどれだけ家族等の援助を必要としているか」が重視されます。手帳がなくても、医師の診断書や申立書で実態を正しく伝えられれば、受給の可能性は十分にあります。

7. 働きながらでも知的障害の障害年金はもらえる?

20歳を迎えて、就労継続支援(A型・B型)や障害者雇用枠で働いている方も多くいらっしゃいます。「働いてお給料をもらっていると障害年金は通らないのでは?」という不安の声もありますが、必ずしもそうではありません。

就労環境と審査への影響

  • 就労継続支援B型・A型:福祉的な支援を受けている状態であるため、労働能力が制限されているとみなされやすく、受給が認められるケースが多いです。
  • 障害者雇用:職場で特別な配慮(業務内容の限定、指導員の配置、休憩時間の確保など)を受けていることを書類でしっかり主張できれば、受給の可能性はあります。
  • 一般雇用:一般雇用で周囲と同等に働いている場合は審査が厳しくなりますが、ご家族の多大なサポートがあって何とか通勤できている等の事情があれば、考慮される場合があります。

大切なのは、勤務先からの配慮や、家に帰ってからの疲労度・生活状況を「病歴・就労状況等申立書」に詳細に記載することです。

8. 20歳前申請のスケジュールと手続きの流れ

知的障害の場合、20歳になるタイミングでの申請(障害認定日請求)が一般的です。スムーズに進めるためのスケジュール目安は以下の通りです。

1

19歳6ヶ月頃〜:準備の開始

年金事務所で年金請求書などの書類一式を受け取ります。また、主治医に診断書の作成について相談を始めます。

2

20歳の誕生日の約2〜3ヶ月前

出生から現在までの成育歴、学校生活、日常生活の様子を振り返り、「病歴・就労状況等申立書」の作成を進めます。

3

20歳の誕生日以降

20歳の誕生日前日(障害認定日)以降の症状を診てもらい、医師に診断書を書いてもらいます。(※認定日以降3ヶ月以内の現症日の診断書が必要です)

4

年金事務所へ提出

書類が揃ったら速やかに年金事務所または市区町村の窓口へ提出します。審査には約3〜4ヶ月ほどかかります。

9. すどう社労士事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、知的障害・発達障害・うつ病などの精神疾患を中心とした障害年金申請のサポートに特化しております。

すどう社労士事務所の強み

  • 地域密着型の専門体制:越谷市・春日部市・草加市を中心に、埼玉県全域で豊富なサポート経験がございます(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅徒歩3分)。
  • 年間相談件数250件超えの実績:ご家族だけでは作成が難しい「出生から現在までの病歴申立書」のヒアリングと作成代行において、高い評価をいただいております。
  • 女性相談員による寄り添いサポート:ご家族様が抱える将来への不安や、お子様のこれまでのご苦労を丁寧にお伺いし、最適な申請方法をご提案します。
  • 納得のサポート料金:相談料や着手金に関するご不安を減らし、安心してご依頼いただける体系を整えています。
    (サポート料金の詳細はこちら

当事務所のこれまでの受給事例はこちらをご覧ください。

10. よくある質問(FAQ)

Q1. 知的障害の場合、初診日の証明書(受診状況等証明書)は本当にいらないのですか?
A. はい、原則として不要です。ただし、知的障害と発達障害が混在している場合など、年金事務所から提出を求められる例外的なケースもあります。
Q2. 20歳の時に手続きを忘れてしまい、現在25歳です。今からでも申請できますか?
A. 可能です。20歳当時の診断書が取得できれば、過去に遡って受給できる可能性(遡及請求)があります。当時の診断書が取れなくても、現在の状態による申請(事後重症請求)が可能です。
Q3. 診断書を書いてもらう医師は、精神科でなくても大丈夫ですか?
A. 知的障害の場合、小児科などで継続して診てもらっている場合は、精神科でなくても診断書の作成が認められるケースがあります。事前に医療機関へご確認いただくか、当事務所へご相談ください。
Q4. 病歴・就労状況等申立書には何を書けばいいですか?
A. 生まれた時から現在に至るまでの成育歴、学校生活(普通学級か特別支援学級か等)、日常生活でどのような援助が必要かなどを、3〜5年ごとの期間に分けて具体的に記載します。
Q5. 社労士に依頼するメリットは何ですか?
A. 知的障害の申請では「ご本人の実態をいかに正確に書類(申立書や診断書)に反映させるか」が重要です。社労士に依頼することで、審査のポイントを押さえた書類作成が可能となり、ご家族の手間と心理的負担を大幅に軽減できます。

まとめ

知的障害(精神遅滞)の障害年金申請では、「初診日が生まれた日になる」という点が最大の特徴です。

  • 初診日は出生日となるため、保険料の納付要件は問われない
  • 障害認定日は「20歳の誕生日の前日」
  • 療育手帳がなくても、日常生活の困難さで受給できる可能性がある
  • 発達障害とは初診日の扱いが異なるため注意が必要
  • 就労支援や障害者雇用で働いていても受給の可能性はある

20歳を迎えるにあたり、将来の生活基盤として障害年金は非常に重要な制度です。ご不安な点があれば、お一人で悩まずにぜひ専門家へご相談ください。

ご相談について

お子様が20歳を迎えるにあたり、「将来の生活費をどう確保するか」という大きな不安に直面されるご家族様は多くいらっしゃいます。子育てやお仕事でお忙しい中、複雑な障害年金の申請手続きをご家族だけで進めるのは、想像以上の負担となります。

すどう社労士事務所では、お子様の状況やご家庭に応じた具体的な進め方について、無料相談で個別にご案内しています。ご家族様からのご相談を歓迎しておりますので、どうぞお気軽にお声がけください。

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TEL:048-788-3717 平日 9:00〜19:00(※ LINE・メールは24時間受付)

監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社労士事務所 代表

障害年金専門社労士として、越谷・春日部草加市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。知的障害・発達障害・うつ病などの精神疾患をはじめ、がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。

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