社労士が解説:統合失調症で働きながら障害年金をもらう注意点

統合失調症で働きながら障害年金を受給することは可能ですが、就労状況や職場での配慮事項を正しく申告しないと不支給や支給停止のリスクがあります。本記事では、障害年金専門の社労士が、働きながら受給するための審査ポイントや、診断書・申立書作成時の具体的な注意点を分かりやすく解説します。

【結論】

統合失調症でも、働きながら障害年金を受給することは十分に可能です。

ただし、審査において「働けている=症状が軽い」と誤解されないよう、職場から受けている配慮や、仕事が終わった後の日常生活の支障度合いを、診断書や申立書に正しく反映させることが極めて重要になります。

この記事が向いている方

  • 統合失調症と診断され、現在働きながら障害年金の申請を考えている方
  • 「働いていると精神疾患では年金がもらえない」と聞いて諦めかけている方
  • 障害者雇用枠や就労継続支援(A型・B型)を利用して働いている方
  • 一般雇用だが体調不良で欠勤や早退を繰り返し、生活費に不安がある方
  • 仕事が終わると疲れ切ってしまい、家事や日常の身の回りのことが全くできない方
  • 埼玉県(越谷市・春日部市・草加市周辺)で相談できる障害年金専門の社労士を探している方

この記事の目次

  1. 統合失調症でも「働きながら障害年金」は受給できるのか?
  2. 働きながら受給できる就労形態の目安と審査ポイント
  3. 審査で重視される「職場での配慮」と「日常生活の支障」
  4. 診断書作成時の注意点:医師に「働く実態」を正しく伝える
  5. 病歴・就労状況等申立書の注意点:就労状況を詳細に記載する
  6. 受給中に働き始めたら障害年金はストップ(支給停止)になる?
  7. 更新(障害状態確認届)の際に注意すべきポイント
  8. 当事務所のサポート体制と実績
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ

1. 統合失調症でも「働きながら障害年金」は受給できるのか?

「精神疾患で障害年金をもらうには、仕事を辞めて無職でなければならない」と思い込まれている方が非常に多いですが、これは誤解です。

統合失調症による幻覚や妄想、陰性症状(意欲の低下や引きこもりなど)を抱えながら、なんとか生活のために就労している方は少なくありません。年金の審査では、単に「給与を得ているか」だけでなく、「どのような働き方をしているか」「周囲の援助があって成り立っている就労ではないか」という実態が総合的に評価されます。

したがって、働きながらであっても、障害年金の等級基準に該当する状態であることを書類上で正しく証明できれば、受給できる可能性は十分にあります。

2. 働きながら受給できる就労形態の目安と審査ポイント

どのような雇用形態で働いているかによって、審査のハードルは大きく変わります。それぞれの就労形態における受給の可能性とポイントを整理しました。

就労形態 障害年金受給の可能性 審査でのポイント
就労継続支援(A型・B型) 高い(2級認定の可能性あり) 福祉的な支援がなければ就労困難とみなされるため、日常生活の支障を正しく伝えれば認められやすい傾向にあります。
障害者雇用 中〜高い(2級・3級) 専任のサポーターがいる、業務量が軽減されているなど、受けている「配慮」の内容を明確にすることが重要です。
一般雇用(配慮あり) 可能性あり(主に3級) 上司の個人的な理解による遅刻・早退の許可や、極端に負担の少ない部署への異動など、実質的な配慮を主張する必要があります。
一般雇用(配慮なし) 極めて厳しい 健常者と同等の業務をこなし、特別な配慮も受けていない場合は「労働能力がある」と判断され、不支給となるケースが大半です。

※初診日が「国民年金」の場合は、3級の制度がないため、2級以上の状態であると認められる必要があります。

3. 審査で重視される「職場での配慮」と「日常生活の支障」

働きながら受給を目指す場合、審査機関に対して「一見働けているように見えるが、実はこれだけの無理やサポートの上に成り立っている」と説明できなければなりません。

審査で評価される「職場での配慮」

・他人との関わりが少ない業務に限定されている
・体調不良時の突発的な欠勤や早退が許容されている
・複雑な判断を伴う業務を免除されている
・通院のためにシフトを調整してもらっている

審査で評価される「日常生活の支障」

・仕事から帰ると疲弊しきって寝込んでしまう
・休日は外に出る気力がなく、入浴や着替えもできない
・食事の準備ができず、家族に頼りきりである
・金銭管理ができず、浪費や生活費の欠如が起きている

これらの実態が、次にご説明する「診断書」と「申立書」の両方にしっかりと記載されていることが不可欠です。

4. 診断書作成時の注意点:医師に「働く実態」を正しく伝える

精神科の主治医は、診察室での数分間のご本人の様子しか見ることができません。そのため、あなたが「働いています」とだけ伝えると、医師は「問題なく働けているんだな」と判断し、診断書に実態より軽く記載してしまう危険があります。

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具体的な伝え方の工夫

「働いている」という事実だけでなく、必ず「どのような配慮を受けているか」「仕事以外の生活がどれほど崩壊しているか」をセットで伝えましょう。
例:「障害者雇用で週3日、短時間だけデータ入力をしています。それでも帰宅後は疲れて動けず、食事やお風呂は家族に手伝ってもらっています。」と、メモ等に箇条書きにして渡すのが効果的です。

5. 病歴・就労状況等申立書の注意点:就労状況を詳細に記載する

「病歴・就労状況等申立書」は、ご自身(または社労士)が作成する重要書類です。ここで、就労に関する実態を具体的にアピールします。

  • 仕事の種類、勤務日数、労働時間を正確に書く
  • 職場で受けている援助や配慮の内容を箇条書きにする
  • 病気が原因で起こしてしまったミスや、人間関係のトラブルがあれば隠さず書く
  • 「仕事だけで精一杯であり、私生活が犠牲になっている」事実を強調する

※このとき、医師が書いた「診断書」の記載内容と矛盾が出ないように調整することが、審査落ちを防ぐ最大のポイントとなります。

6. 受給中に働き始めたら障害年金はストップ(支給停止)になる?

障害年金を受給している途中で体調が安定し、働き始めたからといって、その瞬間に年金の支給が打ち切られるわけではありません。

障害年金には数年おきに「更新」があり、次回の「障害状態確認届(更新用の診断書)」を提出するタイミングで、改めて就労状況や病状が審査されます。その際、健常者と変わらない働き方ができるようになっていれば、等級が下がったり、支給停止(年金が一時的に止まる)になったりする可能性があります。
逆に言えば、無理のない範囲でのリハビリ的な就労や、配慮を受けた働き方であれば、そのまま受給を継続できるケースも多々あります。

7. 更新(障害状態確認届)の際に注意すべきポイント

働きながら更新手続きを迎える場合も、最初の申請時と同じ注意が必要です。「なんとか働けているから」と無理をして元気なように申告してしまうと、支給停止のリスクが高まります。

更新の診断書を作成してもらう際も、現在の職場の配慮事項や、相変わらず続いている日常生活のしんどさを、主治医にしっかりと文書やメモで伝えることを忘れないようにしてください。

8. 当事務所のサポート体制と実績

すどう社会保険労務士事務所では、統合失調症を抱えながら働く皆様の障害年金申請を数多くサポートしてまいりました。就労の実態を的確に書類へ落とし込むノウハウで、適正な受給へ導きます。

当事務所の強み

  • 年間相談件数250件超え:就労中の方の申請や、複雑な更新手続きにも豊富な実績があります。
  • ヒアリング力:ご本人も気づいていない「仕事での無理」や「日常生活の支障」を、対話の中で丁寧に引き出します。
  • 地域密着サポート:越谷・春日部・草加を中心に、埼玉県全域からのご相談に対応しています。

当事務所の受給事例はこちらからご覧いただけます。
また、当事務所のロゴにもなっている「ミモザの由来」についてはこちらをご覧ください。

9. よくある質問(FAQ)

Q1. 一般雇用(フルタイム)で働いていても受給できますか?
A. 一般雇用であっても、会社から特別な配慮(業務量の軽減、頻繁な休憩の許可など)を受けている実態があれば受給できる可能性はあります。ただし、配慮なしで健常者と同等に働けている場合は不支給となるケースが多くなります。
Q2. 就労継続支援(A型・B型)で働いている場合はどうなりますか?
A. 就労継続支援など福祉的就労を利用している場合は、支援や援助がなければ就労が困難な状態とみなされるため、障害年金(2級レベル)が認められやすい傾向にあります。
Q3. 障害年金をもらっていることは会社にバレますか?
A. 原則として、障害年金の受給の事実が日本年金機構から直接勤務先へ通知されることはありません。ご自身で話さない限り、会社に知られることはありません。
Q4. 給与の金額によって年金が減らされることはありますか?
A. 初診日が20歳以降の通常の障害年金であれば、給与による所得制限はありません。ただし、20歳前傷病による障害基礎年金を受給している場合のみ、一定の所得を超えると支給停止や減額の対象となります。
Q5. 受給中に働き始めたら、すぐに年金はストップされますか?
A. 働き始めたからといって、その瞬間に年金が止められるわけではありません。次回の「更新(障害状態確認届の提出)」のタイミングで、就労状況と病状を総合的に再審査され、その結果次第で等級変更や支給停止になる場合があります。

10. まとめ

統合失調症で働きながら障害年金を受給するためのポイントは以下の通りです。

  • 「働いている=年金がもらえない」は誤解である
  • 障害者雇用や就労支援など、働き方の形態が審査に大きく影響する
  • 職場からの配慮や、帰宅後の生活の崩壊具合を客観的に証明する
  • 主治医に対し、仕事の実態と日常生活の困難さを具体的に伝えることが必須

就労中の方の申請は、書類の書き方ひとつで結果が左右されるため、慎重な準備が求められます。

ご相談について

働きながら統合失調症の治療を続け、さらに複雑な年金の申請手続きをご自身で進めるのは、想像以上のストレスと疲労を伴います。「今の自分の働き方で対象になるのか」「医師にどう伝えればよいのか」など、ご不安な点があれば無理をせず専門家にご相談ください。

当事務所では、ご相談者様の体調や勤務状況に配慮しながら、最適な進め方をアドバイスいたします。**ご家族様からのご相談も歓迎**しておりますので、お一人で悩まずにお気軽にお問い合わせください。

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監修者

須藤 智
社会保険労務士 / すどう社会保険労務士事務所 代表

障害年金専門社労士として、越谷・春日部・草加市を中心に、埼玉県全域で年間250件超えのご相談を受けている。うつ病・統合失調症・がん・脳血管障害など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。
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