傷病別障害年金の認定基準とは?【すどう社労士事務所】
障害年金の認定基準は精神疾患・がん・心疾患・脳血管障害・肢体障害など傷病別に細かく定められています。
受給に必要な3つの基本要件や各等級の判定基準、書類作成の重要ポイントを埼玉県で実績多数の障害年金専門の『すどう社労士事務所 須藤智(すどうさとし)』が分かりやすく解説します。
受給可能性の目安や申請時の注意点を知りたい方はぜひご覧ください。
障害年金の認定基準は「病名そのもの」ではなく、傷病ごとに定められた「日常生活や就労にどれほどの支障が出ているか」という客観的な基準で判定されます。
精神疾患、肢体障害、がん、心疾患、脳血管障害など、傷病の性質ごとに審査の着眼点は大きく異なります。ご自身の病気・ケガに該当する認定基準を正しく把握し、実態に即した診断書や申立書を整えることが受給へのもっとも確実な近道です。
この記事が向いている方
- 病気やケガで日常生活や仕事に支障があり、自分が障害年金の対象になるか知りたい方
- 精神疾患、がん、脳卒中、難病など、自分の病気の認定基準がよく分からない方
- 「働きながらでも障害年金の等級に該当するのか」不安を感じている方
- 申請に必要な3つの要件(初診日・保険料納付・障害状態)を整理したい方
- 埼玉県(越谷市・春日部市・草加市・さいたま市等)で障害年金に強い社労士を探している方
この記事の目次
1. 障害年金の「認定基準」とは?基本的な仕組み
障害年金は、病気やケガを原因として生活や就労に制限が生じた際に支給される公的なセーフティネットです。
「特定の重い病気にかかったら自動的にもらえる」という制度ではなく、国(日本年金機構)が定めた「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」に合致しているかどうかが個別に審査されます。
認定基準では、身体の部位や病気の系統ごとに区分が設けられており、それぞれの特性に応じた「障害等級(1級・2級・3級)」の判定指針が詳細に規定されています。
1-1. 診断書の様式は傷病ごとに8種類に分かれている
障害認定基準の考え方を反映して、医師に作成してもらう障害年金専用の診断書は傷病の部位・種類によって8つの様式に分かれています。
- 第1号様式:眼の障害(視力低下・視野狭窄など)
- 第2号様式:聴覚・鼻腔・口腔機能・言語機能の障害
- 第3号様式:肢体の障害(上肢・下肢・体幹・麻痺など)
- 第4号様式:精神の障害(うつ病・統合失調症・発達障害・高次脳機能障害など)
- 第5号様式:呼吸器疾患(肺気腫・間質性肺炎・気管支喘息など)
- 第6号様式:循環器疾患(心不全・心筋梗塞・ペースメーカー装着など)
- 第7号様式:腎疾患・肝疾患・糖尿病(人工透析・肝硬変など)
- 第8号様式:血液・造血器・その他の障害(がん・難病・自己免疫疾患など)
該当する傷病に合わせた診断書様式を用い、その傷病特有の認定基準に沿った症状・生活制限を漏れなく主治医に記載してもらうことが極めて重要です。
2. 障害年金を受給するための「3つの基本要件」
傷病別の詳しい認定基準を確認する前に、すべての傷病に共通する「受給のための3つの基本要件」を満たしているか確認する必要があります。
要件①:初診日要件
障害の原因となった病気やケガについて、初めて医師や歯科医師の診療を受けた日(初診日)を公的に証明できる必要があります。
この日に加入していた年金制度(国民年金または厚生年金)によって受給できる年金の種類が決まります。
要件②:保険料納付要件
初診日の前日時点で、それまでの公的年金保険料を一定以上納付(または免除・猶予の手続き)していることが必要です。
納付要件を満たしていない場合、どれほど重い症状であっても年金の受給は認められません。
要件③:障害認定日要件
初診日から原則として1年6ヶ月を経過した日(またはそれ以前に症状が固定した日)を「障害認定日」と呼びます。
この障害認定日または現在において、障害認定基準が定める等級に該当している必要があります。
3. 主な傷病別における障害認定基準のポイント
傷病によって、認定審査で重視されるポイントは大きく異なります。代表的な傷病区分における審査基準の要点をまとめました。
3-1. 精神疾患(うつ病・双極性障害・統合失調症・発達障害など)
精神疾患は血液検査や画像などの数値で重症度を測ることができません。
そのため、診断書裏面の「日常生活能力の判定(7項目)」および「日常生活能力の程度(5段階)」の評価が判定の基礎となります。
- 適切な食事摂取、身辺の清潔保持、金銭管理、対人関係などが自力で行えるか
- 一人暮らしが可能か、それとも家族や福祉サービスの常時援助が必要か
- 就労している場合は、業務内容や職場で受けている特別な配慮(短時間勤務・欠勤時の配慮等)
3-2. 肢体の障害(麻痺・人工関節・関節リウマチ・手足の切断など)
上肢・下肢・体幹の障害では、筋力低下の度合いや関節の可動域制限、日常生活動作(歩行・立ち上がり・ボタンの留め外しなど)の遂行能力が客観的な数値で審査されます。
- 人工関節や人工骨頭を挿入置換した場合は、原則として3級以上に該当
- 四肢の麻痺や切断など、身体機能の喪失度合いに応じた明確な測定基準が存在
3-3. 内部疾患(心疾患・腎疾患・呼吸器疾患・糖尿病)
心疾患や腎疾患などの内部障害は、臨床所見に加えて「自覚症状」「検査数値」「治療履歴」が等級判定に直結します。
- 腎疾患:人工透析を導入している場合は原則2級に認定
- 心疾患:ペースメーカーやICD(除細動器)の装着は原則3級に認定
- 呼吸器疾患:動脈血ガス分析値やスパイロメトリー検査値、在宅酸素療法の有無
3-4. がん・悪性腫瘍
がんは単一の臓器障害にとどまらず、全身の衰弱や抗がん剤治療等の副作用も含めて総合的に判定されます。
「一般状態区分表」における活動能力の低下度(歩行や身の回りのこと、就労の可否)が重要な指標です。
3-5. 脳血管障害(脳梗塞・脳出血・くも膜下出血)
脳卒中などの後遺症として、手足の麻痺(肢体障害)、高次脳機能障害(精神の障害)、失語症(言語機能の障害)など、複数の障害が同時に現れることがあります。
それぞれの認定基準に沿って診断書を複数提出し、総合認定を受けることが可能です。
4. 【等級別】日常生活・労働の支障度の目安一覧
障害年金の等級(1級〜3級)は、法的に以下のような日常生活・就労の支障度合いを目安として定められています。
| 等級 | 日常生活・労働の制限の目安 | 対象となる年金 | 傷病別の具体例イメージ |
|---|---|---|---|
| 1級 | 他人の介助がなければ日常生活の身の回りのことがほとんどできない状態(全面介助・ベッド上生活など) | 障害基礎年金 障害厚生年金 |
・重度の精神障害で常時見守りが必要 ・両手両足の重度麻痺 ・末期がんで寝たきりに近い状態 |
| 2級 | 家庭内の極めて簡単な生活はできるが、一人での生活が著しく困難であり、働くことができない状態 | 障害基礎年金 障害厚生年金 |
・精神障害で家族の援助が不可欠 ・人工透析を実施している ・外出が困難で軽度の家事程度しかできない |
| 3級 | 日常生活にはある程度自立しているが、労働に著しい制限がある、または労働に制限を加える必要がある状態 | 障害厚生年金のみ | ・心臓ペースメーカーの装着 ・人工関節の挿入置換 ・就労しているが体調により著しい制限がある |
| 障害手当金 (一時金) |
初診日から5年以内に傷病が治り(症状固定)、一定の障害が残った状態 | 障害厚生年金のみ | ・一定程度の機能障害・欠損が固定した軽度の状態 |
※初診日に国民年金に加入していた場合(自営業・専業主婦・無職・学生など)は1級または2級のみが対象です。
初診日に会社員や公務員として厚生年金に加入していた場合は、3級や障害手当金も対象となります。
5. 【2026年度】受け取れる障害年金の金額目安
認定基準を満たして受給が決定した場合に支給される年金額は、加入していた年金制度(国民年金か厚生年金か)、等級、生計を維持しているご家族の有無によって決まります。
5-1. 障害基礎年金(自営業・フリーランス・無職・主婦など)
- 1級:年額 1,059,125円(月額 約8.8万円)+ 子の加算
- 2級:年額 847,300円(月額 約7.0万円)+ 子の加算
※生計を維持している高校生以下(18歳到達年度末まで、障害がある子は20歳未満)のお子様がいる場合、第1子・第2子は各239,300円、第3子以降は各79,800円が加算されます。
5-2. 障害厚生年金(会社員・公務員など)
障害厚生年金は、障害基礎年金に加えて、厚生年金加入期間やこれまでの給与水準(標準報酬月額)に応じた「報酬比例の年金」が支給されます。
- 1級:障害基礎年金1級 + 報酬比例の年金額(1.25倍)+ 配偶者加給年金(239,300円)
- 2級:障害基礎年金2級 + 報酬比例の年金額 + 配偶者加給年金(239,300円)
- 3級:報酬比例の年金額(※最低保障額:年額 635,500円)
※障害年金は法律上、非課税所得として扱われるため、所得税や住民税が課税されず、健康保険料の算定基準からも除外されます。
6. 働きながらでも傷病別認定基準に該当する?
「仕事をしていると障害年金は受給できないのではないか」というご質問を大変多くいただきますが、傷病によって審査における「就労の扱い」は大きく異なります。
6-1. 身体障害や内部障害の場合
肢体障害、人工透析、ペースメーカー装着、人工関節、視覚・聴覚障害などの場合、検査数値や器具装着の事実によって客観的に認定基準への該否が判断されます。
そのため、フルタイムで働いて一定の収入を得ていても、認定基準を満たしていれば原則として支給されます。
6-2. 精神疾患・がん・難病などの場合
精神疾患や倦怠感を主とする難病などの場合、労働ができているという事実そのものが「病状が軽快している」とみなされやすい傾向があります。ただし、以下のような実態がある場合は就労中でも受給が認められる可能性があります。
- 障害者雇用枠で採用され、業務内容や勤務時間に配慮を受けている
- 一般雇用であっても、同僚や上司のサポート・急な体調不良による欠勤が認められている
- 家族の全面的なサポートがあって出勤できているが、帰宅後は寝たきり状態である
単に働いている事実だけでなく、「職場でどのような配慮を受けているか」を診断書や申立書に具体的に反映させることが不可欠です。
7. 認定基準を満たしていても申請でつまずく3大原因
実際の症状が認定基準に該当しているにもかかわらず、提出書類の不備や伝達不足によって不支給や低い等級になってしまうケースが後を絶ちません。
診察時に実態が医師に伝わっていない
医師は診察室での短い時間の様子しか見られません。
「辛いのに無理して大丈夫と答えてしまう」「日常生活の具体的な不便を話していない」場合、実態よりも軽い診断書が作成されてしまう恐れがあります。
初診日の証明書が取得できない
何年も前に発症した場合、当時の病院が廃院していたり、カルテの保存期間(5年)経過により破棄されていたりして、初診日を証明する「受診状況等証明書」が取れずにつまずく事態が多発しています。
診断書と申立書の記載内容の矛盾
ご自身で書く「病歴・就労状況等申立書」と、主治医が作成した「診断書」の症状や就労状況に食い違いがあると、日本年金機構の審査官に疑義を持たれ、適正な等級判定が難しくなります。
8. すどう社労士事務所のサポート体制と実績
すどう社会保険労務士事務所では、うつ病・統合失調症・双極性障害・発達障害などの精神疾患から、がん、脳梗塞後遺症、心疾患、人工透析、難病、肢体障害まで、多岐にわたる傷病の障害年金申請を一貫して専門サポートしております。
すどう社労士事務所の強み
- 地域密着型の専門体制:越谷市・春日部市・草加市・さいたま市・川口市を中心に、埼玉県全域の申請を深くサポート(JR南越谷駅・東武スカイツリーライン新越谷駅から徒歩3分の好立地)。
- 年間相談件数250件超えの実績:初診日が古い案件や就労中の複雑な案件など、多様なケースで培った独自のノウハウを有しています。
- 話しやすい女性相談員が在籍:体調への不安や生活の悩みに寄り添い、丁寧かつ親身にお話をお伺いします。ご本人様はもちろん、ご家族様からのご相談も心より歓迎しております。
- 安心のサポート料金:着手金や事前相談料に関する不安を解消し、どなたでも安心してご相談いただける料金体系を整えています。
すどう社労士事務所の受給事例はこちらをご覧ください。
9. よくある質問
Q1. 自分の病名が認定基準に載っていない難病や希少疾患でも受給できますか?
障害年金は病名一覧に限定される制度ではなく、病気やケガによって引き起こされた「機能障害」や「日常生活・労働の支障度」を審査します。希少疾患や原因不明の難病であっても、認定基準の総合的な規定(その他障害等)に照らし合わせて申請が可能です。
Q2. 身体障害者手帳を持っていませんが、障害年金の認定基準に当てはまれば受給できますか?
身体障害者手帳(自治体の福祉制度)と障害年金(国の公的年金制度)は管轄も根拠法令も全く別の制度です。手帳を所持していなくても、年金の認定基準を満たしていれば受給可能です。
Q3. 複数の病気がある場合、認定基準はどのように判定されますか?
個々の傷病では3級程度であっても、併合されることで上位等級(2級など)に認定されるケースもあります。
Q4. 主治医に「障害年金は難しいのではないか」と言われました。あきらめるべきですか?
医師は医療の専門家ですが、年金制度の法律や細かい認定基準の運用について必ずしも精通しているとは限りません。日常生活の困難さを整理して適切にお伝えすることで、見解が変わるケースも多くあります。一度専門の社労士へご相談いただくことをおすすめします。
Q5. 認定基準に該当するかどうか、申請前に判断してもらうことはできますか?
しかし、障害年金専門の社会保険労務士であれば、これまでの審査傾向や過去の認定事例に基づき、受給可能性の目安や申請のポイントを個別に見通すことができます。
Q6. 過去に遡って障害年金を一括受給することは可能ですか?
Q7. 初診日のカルテが廃棄されていると言われた場合、もう申請はできませんか?
診察券、お薬手帳、健康診断の記録、母子手帳、当時の家計簿、第三者による証明書(第三者証明)などを積み重ねることで初診日が認定された実例が多数ございます。
10. まとめ
障害年金の傷病別認定基準は、専門的な用語や複雑な区分が多く、ご自身だけで該当性を判断することは容易ではありません。
しかし、正しい知識を持って準備を進めることで、適切な給付を受ける道が開かれます。
- 病名そのものではなく、「日常生活や就労にどれほどの支障があるか」が基準となる
- 初診日・保険料納付・障害認定日の3要件を満たすことが大前提
- 傷病の種類ごとに診断書の様式や重視される審査項目が大きく異なる
- 実態を医師に正確に伝え、矛盾のない申立書を作成することが認定の決め手となる
ご相談について
病気やケガを抱えながら、難解な障害認定基準を読み解き、医療機関や年金事務所とやり取りを進めるのは、心身ともに大変な負担となります。
「自分の病気でも対象になるのか」「初診日が古くて証明できるか不安」といった段階でも全く問題ありません。
状況に応じた具体的な進め方については、無料相談で個別にご案内しています。
ご家族からのご相談でも大丈夫です。どうぞ無理をなさらず、専門家までお気軽にお声がけください。
監修者
障害年金専門社労士として、越谷・春日部・草加市・さいたま市・川口市を中心に、埼玉県全域に対応している。年間250件超えのご相談を受けている。
うつ病・がん・脳血管障害・心疾患など、幅広い傷病の障害年金申請をサポート。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- 11月 3, 2026コラム傷病別障害年金の認定基準とは?【すどう社労士事務所】


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